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朝鮮総連本部がやっと競売にかけられることになりそうです

平成24年6月28日に朝鮮総連中央本部の建物及び敷地(「本件不動産」)の
所有者が朝鮮総連であることを確認する最高裁判決が言い渡されました。
これにより、とうとう本件不動産を対象とした強制執行(強制競売)が行われることに
なりそうだと報道されています。

そもそものいきさつですが、下記の事実経過のとおり、平成17年に
RCCが朝鮮総連に対して627億円の支払いを求める訴えを提起し、
勝訴判決を平成19年6月18日に得て、その判決が確定しています。
ところが、本件不動産の形式的な所有者が朝鮮総連ではなく、
「合資会社朝鮮中央会館管理会」であったために、今まで強制執行を
行うことができずにいたのです。
本件の問題の根幹は、朝鮮総連が、法人格を有しない、いわゆる権利能力のない
社団であるために、不動産登記の名義人となれず、「合資会社朝鮮中央
会館管理会」が本件不動産の形式的な所有名義人となっていたところにあります。
本件は、債務者と当該債務者が実質的に所有している不動産の名義人が
異なる場合に債権回収がどれだけやっかいなことになるのかを教えてくれる事案です。

今後ですが、強制競売手続は通常であれば半年程度で完了します。
しかし、買い手が見つからなければさらに手間取ることになります。
普通の民間企業ではなかなか手を出しづらい物件です。
東京都あたりが買うことになるのでしょうか?

                     記

①RCCが朝鮮総連を実質的な債務者とする債権を
破綻した金融機関から譲り受ける。

②平成17年、RCCが朝鮮総連を被告として、627億円の
支払いを求める訴えを東京地裁に提起する(譲受債権請求事件)。

③平成19年5月31日付で、本件不動産につき、所有権を
「ハーベスト投資顧問株式会社」へ移転する旨の登記がなされる。

④同年年6月12日、上記所有権移転登記がなされたことが、報道される。

⑤同月18日、所有権登記を戻したとの発表がなされる。

⑥同日、譲受債権請求事件につき、朝鮮総連はRCCに対して
627億円を支払えとの判決が、東京地裁において、言い渡される
(譲受債権請求事件確定判決)。

⑦平成19年、本件不動産に対して強制執行を行うため、RCCが、
上記確定判決につき、本件不動産の形式的所有者である
「合資会社朝鮮中央会館管理会」を債務者とする執行文を
付与することを求める訴えを、東京地裁に提起する(執行文付与請求事件)。

⑧平成19年、RCCが、朝鮮総連と合資会社朝鮮中央会館管理会社を
被告として、本件不動産につき、朝鮮総連の構成員全員の総有であることの
確認を求めるとともに、朝鮮総連の代表者に対して、本件不動産の所有権移転登記を
することを求める訴えを、東京地裁に提起する(土地建物所有権確認等請求事件)。

⑨平成20年9月22日、執行文付与請求事件につき、権利能力なき社団の
構成員でない第三者を債務者とする執行文の付与を求めることはできないとして、
請求を棄却する旨の判決が、東京地裁において、言い渡される
(執行文付与請求事件第一審判決)。

⑩平成21年3月26日、土地建物所有権確認等請求事件につき、RCCの
請求を認める旨の判決が、東京地裁において、言い渡される
(土地建物所有権確認等請求事件第一審判決)。

⑪同年4月15日、執行文付与請求事件につき、RCCが提起した控訴が、
東京高裁において、棄却される(執行文付与請求事件控訴審判決。)

⑫平成22年6月29日、最高裁判所が、執行文付与請求事件につき、次のように
判断して、上告を棄却する(執行文付与請求事件上告審判決。)。

「権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する
債権者が、当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して
強制執行をしようとする場合において、上記不動産につき、当該社団のために
第三者がその登記名義人とされているときは、上記債権者は、強制執行の
申立書に、当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務名義の
正本のほか、上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを
確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定
判決その他これに準ずる文書を添付して、当該社団を債務者とする強制執行の
申立てをすべきであり、上記債務名義につき、上記登記名義人を債務者として
上記不動産を執行対象財産とする執行文の付与を求めることはできない。」

⑬同年12月24日、土地建物所有権確認等請求事件につき、朝鮮総連と
合資会社朝鮮中央会館管理会の控訴を棄却して、第一審判決を維持する旨の
判決が、東京高裁において、言い渡される(土地建物所有権確認等請求事件控訴審判決)。

⑭平成24年6月28日、土地建物所有権確認等請求事件につき、
朝鮮総連と合資会社朝鮮中央会館管理会の上告を棄却して第一審判決を維持する旨の
判決が、最高裁において、言い渡される(土地建物所有権確認等請求事件上告審判決)。
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「アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?」

Kinectは、人間の動きそのものを読み取ってしまうセンサーです。
SF映画から現実世界にそのまま飛び出してきたようなこの器具が、
ゲーム機のオプション装置として、いきなり登場した時には、驚きました。

ところで、このKinectを開発したのが、イスラエルの会社であることを
ご存知でしょうか。
イスラエルと言えば、少し前まで、戦争、内戦、そしてテロで彩られた国でした。
そして、イスラエルで有名な組織と言えば、IAF、モサド、アマンといった
軍事、諜報組織ばかりでした。
ところが、いつのまにかイスラエルは、ハイテクベンチャー企業を
輩出する国として有名になっていたのです。
その実情を描き出したのが、この本です。
イスラエルの人口は約700万人、GDPは約2000億ドルですから、
ちょうど埼玉県と似たような規模の国です。
そんな小さな国が、どうしてハイテク国家となり得ているのか。
かなり興味深い話が書いてある本です。





アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?

ファーストサーバ大規模障害事故

クラウドに預けていたデータが消失してしまったとして騒ぎになっている
ファーストサーバの事故の話題です。

ファーストサーバの説明によれば、データ消失に至った主な原因は以下の3点です。
①更新プログラムの不具合
②運用手順の不備
③バックアップ仕様の不備

ところで、同社は、損害賠償につき、「サービス利用契約約款に基づいて、
お客様にサービスの対価としてお支払いただいた総額を限度額として、
損害賠償させていただきます。」と述べています。

同社のサービス利用契約約款を見ると、次の条項が見つかります。
第36条「本サービスの利用に関し当社が損害賠償義務を負う場合、
契約者が当社に本サービスの対価として支払った総額を限度額として
賠償責任を負うものとします。」
よくあるタイプの責任制限条項ですね。
(なお、同約款には、第16条、第35条等他にも責任を
軽減乃至制限する条項が存在します。)

約款に明記されているのだから、ユーザーは支払ったサービス料金の総額を超えた
損害の賠償を求めることはできないのでしょうか。
そうとも言い切れません。
下記のような判例があるからです。

①最高裁平成15年2月28日判決からすれば、重過失が認められれば、
本件には上記責任制限条項の適用はないと判断されてもおかしくありません。
(なお、重過失が認められると約款第35条の免責条項の適用もなくなりますし、
②東京地方裁判所平成13年9月28日判決からすると、約款第16条に基づく
反論も苦しそうです。)

今後、上記事故原因につき、重過失が認められるか否かが激しく
争われることになるのではないでしょうか。


              記

①最高裁平成15年2月28日判決
「本件特則は、宿泊客が、本件ホテルに持ち込みフロントに預けなかった物品、
現金及び貴重品について、ホテル側にその種類及び価額の明告をしなかった場合には、
ホテル側が物品等の種類及び価額に応じた注意を払うことを期待するのが酷であり、
かつ、時として損害賠償額が巨額に上ることがあり得ることなどを考慮して設けられた
ものと解される。このような本件特則の趣旨にかんがみても、ホテル側に故意又は
重大な過失がある場合に、本件特則により、被上告人の損害賠償義務の範囲が
制限されるとすることは、著しく衡平を害するものであって、当事者の通常の
意思に合致しないというべきである。したがって、本件特則は、ホテル側に
故意又は重大な過失がある場合には適用されないと解するのか相当である。
 そうすると、本件盗難について丙川に重大な過失がある場合には、
本件特則は適用されない。」


②東京地方裁判所平成13年9月28日判決
「本件約款34条は,契約者が被告のインターネットサービスの利用に関して損害
を被った場合でも,被告は,本件約款30条の規定によるほかは責任を負わないこ
とを定めているが,その本件約款30条は,契約者が被告から提供されるべきイン
ターネットサービスを一定の時間連続して利用できない状態が生じた場合に,算出
式に基づいて算出された金額を基本料月額から控除することを定めているにすぎな
い。
 これらの規定の文理に照らせば,本件約款30条は,通信障害等によりインター
ネットサービスの利用が一定期間連続して利用不能となったケースを想定して免責
を規定したものと解すべきであり,本件約款34条による免責はそのような場合に
限定されると解するのが相当である。
 実質的にも,被告の積極的な行為により顧客が作成し開設したホームページを永
久に失い損害が発生したような場合についてまで広く免責を認めることは,損害賠
償法を支配する被害者救済や衡平の理念に著しく反する結果を招来しかねず,約款
解釈としての妥当性を欠くことは明らかである。
 本件は,前述のとおり,被告の本件注意義務に違反する行為によって原告が作成
開設したホームページを喪失して損害を被ったと認められる事案であり,通信障害
等によりインターネットサービスの利用が一定期間連続して不能となった場合には
当たらない。
 よって,本件約款34条は,本件には適用されないと解すべきである。」

社外取締役義務化の是非

日本経済新聞の「経済教室」において、宮島英昭教授が、
社外取締役義務化の是非を論じています。
結論はともかく、興味深いのは、社外取締役の導入効果に
関する調査結果です。

研究開発(R&D)比率が高い、無形資産の役割が大きいなど
特殊な知識の重要性が高く、外部者による情報獲得の困難な企業群では、
高い社外取締役比率は、総資産利益率(ROA)を向上させる効果がないか、
場合によっては負の効果を持つ。
それに対して、外部者による情報獲得が容易な企業群では、
高い社外取締役比率はROAを向上させる効果を明確に
確認できるとされています。

百の抽象的意見より、一の実証研究結果の方が説得力を持つ場面ですね。

税務訴訟の勝率

国税庁が、「平成23年度における不服申立て及び訴訟の概要」と題する資料を
公表しています。
平成23年度に終結した訴訟380件のうち国側が一部敗訴したもの及び
全部敗訴したものは51件で、その割合は13.4%となっています。
税務訴訟における納税者側の勝率は、一部勝訴を含めて13.4%だった
ことになります。
これを高いと見るか、低いと見るか。

改正労働者派遣法がもたらす混乱

改正労働者派遣法が平成24年4月6日に公布されています。
改正内容は多岐にわたっていますが、もっとも
目立つ改正は、直接雇用申込みなし規定の創設です。
この規定は、派遣先が一定の違法行為を行った場合には、その時点に
おいて、派遣先から当該派遣労働者に対し、その時点に
おける当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を
内容とする労働契約の申し込みをしたものとみなされるという
ものです。

この規定について、本庄淳志「改正労働者派遣法をめぐる
諸問題」季刊労働法2012年夏号22頁が、徹底的に批判しています。
中でも気になったのは、次の点です。

「いわゆる偽装請負等の違法行為があった場合について、
これまで繰り返し指摘されてきた通り、労働者派遣と請負との
区別は、理念的には受入企業における指揮命令の有無によってなされる
ものの、実務上の峻別はそれほど容易なことではない。
派遣先が故意に請負を偽装した場合や重過失が認められる場合であれば
ともかく、改正法では、単なる過失のケースでもみなし規定を適用
するものとされており、施行期限までに周知徹底をいかに
図るとしても相当な混乱が予想される。」

紛争が多発しそうですね。

ジュリスト6月号 特集「優越的地位の濫用とは?」

ジュリスト6月号の特集は、優越的地位の濫用ですが、
中々勉強になる内容でした。
中でも一番参考になった情報は、下請法について、
当局の運用・実務を知る上で最も有用な文献は、
「下請取引適正化推進講習会テキスト」であるという情報でした。
こういうメタ情報が、実務家にとっては、一番ありがたい。

「下請取引適正化推進講習会テキスト」
http://www.jftc.go.jp/sitauke/23textbook.pdf

神舟9号

技術的に新しいものは何もないと言われているようですが、
有人ロケットを飛ばすには、巨大なシステムを構築する
必要があります。
ですから、今回の打ち上げ成功によって、中国は、
巨大システム設計技術を獲得したことを世界に示したと
言えそうです。


日経BPムック「1冊でわかるビッグデータ」

データマイニングという言葉を私が初めて目にしたのは、
6年くらい前のことです。
また、イアン・エアーズ「その数学が戦略を決める」を読み、
テラバイト級のデータを対象にしたデータマイニングの世界に触れて、
興奮を覚えたのが、4年半くらい前のことでした。

さて、「ビッグデータ」ですが、ペタバイト級の巨大な
データのことをいうそうです。
技術の進歩は速いもので、ペタバイト級の膨大なデータの中から、
高度なデータマイニング手法によってパターンやルールを見つけ出して、
それをビジネスに活用するという時代にあっという間になっていまったようです。

ところで、この本の中で、私が注目したのは、第4章「ビッグデータと
個人情報」です。
「プライバシー侵害で訴えられることによる金銭リスクは、
どの国よりも高い」とされる米国の企業が個人情報の収集、
活用に積極的なのに対して、日本企業は萎縮してしまっているのだそうです。
まだ政府のガイドラインがないために、どうしたらいいのか
分からないということのようですが、行政頼みの横並び主義できた
日本企業の悪い面が出てきてしまっているように思います。
サービスの設計段階から弁護士を活用して、サービスの内容を決めていけば、
政府のガイドラインがなくとも、米国企業と同様のことが
行えるはずなのにと思ってしまいました。

散歩@お台場

いつの間にか、ショッピングモールだらけになってますね。

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JASRAC無罪放免?

公正取引委員会が、平成21年2月27日付けで、JASRACに対して、
排除措置命令を発令した時には、かなり話題になっていました。
ところが、JASRACの力はその後も衰えず、私も排除措置命令の
ことはすっかり忘れてしまっていました。
そんな忘れてしまった排除措置命令が本日取り消されたようです。

排除措置命令がどのようなものであったかを確認します。

JASRACは、音楽著作権を有する著作者等から音楽著作権の管理の
委託を受け、音楽著作物の利用者に対し、音楽著作物の利用を許諾し、
その利用に伴い当該利用者から使用料を徴収し、管理手数料を控除して
著作者等に分配する事業を営んでいる法人です。
このような事業を著作権等管理事業といいますが、著作権等管理事業を
営んでいるのはJASRACだけではありません。
平成21年当時、イーライセンス、ジャパン・ライツ・クリアランス、
ダイキサウンド及びアジア著作協会も著作権等管理事業を営んでいました。

ただ、JASRACは他の会社と比べて、圧倒的に多くの音楽著作権を
管理しています。
そこで、テレビやラジオといった放送事業者のすべては、JASRACとの間で
契約を締結しています。
その契約において、使用料については、一曲一曲の使用料を加算して計算する
のではなく、放送事業収入に一定率を掛けた金額とする旨定めていたようです。
(排除措置命令において公正取引委員会が「本件包括徴収」と呼んでいる方法です。)

ここで、問題が発生しました。

エイベックスがイーライセンスとの間で著作権管理委託契約を締結しました。
エイベックスには大塚愛等の人気歌手が所属しており、FMラジオ局等の
放送事業者はエイベックス所属歌手の楽曲を放送で使いたいと思っていました。
ところが、イーライセンスが管理している楽曲を利用すると、当然のことながら、
イーライセンスに対して使用料を支払わなければならなくなります。
JASRACが管理している楽曲であれば、何曲利用しようとも支払額は
同じなのに、イーライセンスに対して別途使用料を支払わなければ
ならなくなると、支払額が増えてしまいます。
そこで、放送事業者は、エイベックス所属歌手の楽曲をほとんど利用しなくなって
しまい、当然のことですが、エイベックスはイーライセンスとの契約を
解約することになってしまったというのです。

こうした事情を踏まえ、公正取引委員会は、以下のとおり認定して、
排除措置命令を発令したということになります。

「JASRACは、すべての放送事業者との間で放送等使用料の徴収方法を
本件包括徴収とする内容の利用許諾に関する契約を締結し、これを実施する
ことによって、他の管理事業者の事業活動を排除することにより、公共の利益に
反して、我が国における放送事業に対する放送等利用に係る管理楽曲の
利用許諾分野における競争を実質的に制限しているものであって、これは、
独占禁止法第2条第5項に規定する私的独占に該当し、独占禁止法第3条の
規定に違反するものである。」

上記事情が書かれている排除措置命令書だけを読めば、この結論には、
一応納得がいく気がします。

ところが、本日、公正取引委員会は、以下の理由から、JASRACが本件
包括徴収によって使用料を徴収する行為(「本件行為」)が、他の管理事業者の
事業活動を排除する効果を有するとまで断定することはできないとして、
排除措置命令を取り消したようです。

①イーライセンス管理楽曲の利用を回避したと明確に認められるのは、
1社に過ぎず、放送事業者が一般的にイーライセンス管理楽曲の利用を
回避したと認めることはできない。

②放送事業者がイーライセンス管理楽曲の利用について慎重な態度をとったのは、
イーライセンスが不十分な管理体制のままで放送等利用に係る管理事業に参入したため、
放送事業者が困惑、混乱したことによる。

③上記①、②からすると、エイベックスがイーライセンスとの間の管理委託契約を
解約したのは、本件行為が原因であるとまでは言えない。

④イーライセンスが放送等利用に係る管理事業を営むことが困難な状態になっている
としても、それは、著作権者の勘違いによるものであって、本件行為によるものではない。

⑤上記①~④からすると、本件行為が、イーライセンスの放送等利用に
係る管理事業を困難にしたと認めるに足りる証拠はない。

⑥イーライセンス以外の管理事業者が放送等利用に係る管理事業に新規に
算入しない理由が、本件行為にあると認めるに足りる証拠もない。

この要約だけを読むと、排除措置命令を取り消す旨の審決の判断の方が
むしろ不自然なようにも思えます。
排除措置命令における判断が「分かりやすい話」であるのに対して、
審決における判断は「分かりにくい話」になってしまっていると思います。
ただ、要約のみを読んで審決を批判することは避けるべきでしょう。
審決の結論について、疑問を持った方は、以下のリンク先にある審決本文を
直接ご覧になった上で判断されると良いと思います。

排除措置命令
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.february/090227.pdf

審決
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/12.june/12061401shinketsu.pdf

違法配当だぜー

分配可能額の計算書を作成していなかったぜー
誰も分配可能額を確認していなかったぜー
分配可能額は5000万円なのに1億1000万円配当してやったぜー
ワイルドだろ~

そんな感じの(?)「外部調査委員会調査報告書」を公表した会社があります。
株価もかなりワイルドなことになってしまってますね。

企業再生における課題

と日経新聞が1面を使って企業再生に国が関与しすぎることの
問題点を指摘しています。

日本航空の連結営業利益が2049億円と全日本空輸の
2.1倍にもなっていることについて、全日本空輸の篠辺副社長は、
「国の支援を受けて再生した企業が、自助努力を続けている
企業の経営を脅かせば、国の介入でマーケットがゆがみ、
最終的には利用者・国民の不利益になる」と語っています。

ただ、マーケットがゆがむというのは、国の介入がなくとも
生じ得ることです。
篠辺副社長は、倒産時に発生した繰越欠損金による節税効果を
問題視していますが、コストという面でいえば、債権がカットされ、
利子負担が大幅に減るということの方が影響が大きいでしょう。
昨年11月にアメリカン航空が倒産しました。米系大手航空会社の中で
唯一倒産せずにいた同社が倒産したというので、話題になったので
ご記憶の方も多いと思います。
倒産を発表した際、アメリカン航空のCEOは、過去にチャプター11を
申請した競合他社と比較してコスト構造が不利であったことを
倒産の理由として挙げています。
このように、企業再生には、競合他社の経営を圧迫するという面があるのです。

不振企業は淘汰されるべきではないのかという疑問に答えて、
経済学者の柳川範之教授は、採算事業を存続させることは経済全体にとっても
望ましいと「事業再生ってなんだろう?」という著作で述べています。
ですから再建型倒産制度には経済学的にも根拠があるわけです。
しかし、競合他社が「不公平」と感じるのも理解できます。
特に寡占市場における大型倒産案件では、公平性が問題になるのは、
当然ともいえます。

このあたり、国が企業再生に積極的に乗り出すのであれば、今後の課題になりそうです。

東証上場廃止ルール改正へ

東証の現行の規則では、「上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載を行い、
かつ、その影響が重大であると当取引所が認める場合」にはその株式の上場を
廃止するとされています。
ただ、従来、どのような場合に「その影響が重大であると」東証が認めるのかが、
かなりあいまいでした。
そして、そのことが、上場会社の虚偽記載が発覚する度に、株価が乱高下する
原因にもなっていました。
また、上場廃止を経営者の虚偽記載に対する罰と考えると、虚偽記載の被害者
である投資家がさらなる損失を被るという問題点も存在しました。

日経新聞によると、虚偽記載があった場合にも、直ちに上場廃止にするのではなく、
特設市場に移し、3年間で状況が改善しない場合に上場廃止にするよう、
東証がルールを見直すようです。

散歩@谷中

最近外国人にも人気の谷根千に行ってきました。

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二股事件?

東京地裁で、面白い判決が、言い渡されています。
東京地方裁判所平成24年6月1日判決

裁判所の認定した事実によると、事案の概要は、次のとおりです。

X社は、インマルサット衛星通信サービスを提供している会社です。
X社は電気通信設備を保有していないのですが、設備をもっている
Z社と契約を締結することによって、インマルサット衛星通信事業を
営んでいました。

ところで、平成19年6月頃、通信衛星を保有して固定衛星通信事業を
おこなっているY社が、X社に対して、資本提携及び業務提携の
提案をしてきました。
そして、Y社とX社は平成19年10月1日には、出資検討に
関する基本合意書を締結しました。
その基本合意書に基づいて、Y社はX社の調査を行いました。
同調査は、同年12月3日ころに中止されるまで行われたようです。

ところが、平成20年1月15日、Y社は、X社に対し、
資本参加の最終合意書の締結はできない、Y社はZ社と
合弁会社を設立する旨通告したのです。
実は、Y社はX社との交渉と並行して、Z社とも交渉していたのでした。
Y社は、平成19年11月30日にZ社との間で合弁会社設立に
関する基本合意書を締結する方針を固め、同年12月12日には、
経営会議においてその方針を決定していたようです。
上記調査が中止されたことの背景にはこのような事情があったのです。

以上の経緯を見て、どう思いますか?
M&A案件では、こういうことはありがちです。
新しい分野に参入しようとした時に、A社と組むか、B社と組むか
検討し、どちらかを選ぶというのは、わりと良くある話なのです。
買い物で例えると、M&A案件というのは、中古車の購入に似ています。
●●店に行って、車を見せてもらい、傷がないか、走行距離は
どのくらいか調べる。
▲▲店にも行って、違う車を見せてもらう。
そして、比較して、▲▲店から車を買う。何らおかしくないですね。
しかし、一方で、M&Aは人の問題、組織の問題でもあります。
ですから、感情の問題がつきまといます。今回のケースを
男女関係にたとえ、下世話な表現を使えば、「二股」ということに
なるかもしれません。

X社は、次の理由でY社を訴えました。

①Y社は上記調査によって得たX社の営業秘密を自らのために使用した。
②Z社と合弁会社を設立することをすでに決めていたのにY社はX社を騙して、
調査を行い、X社の営業秘密を取得した。
③Y社はX社との間で資本提携契約を締結したのに、その契約を履行していない。
 
信じていたのに、裏切られたという気持ちが伝わってくるような
理由での訴えです。
しかし、裁判所は、あっさりとX社がY社に開示した情報は
営業秘密に当たらない、資本提携契約の成立を認めることは
できないと判断して、請求を棄却しています。

いろいろ考えさせられる事件ですね。

株主総会シーズンの到来

株主総会集中期間が、近づいています。
そこで、今日は、所属している研究部会の勉強会に参加して、
総会関連の問題点を一通りお浚いしてきました。

ところで、野村ホールディングス株式会社の招集通知は
凄いことになってますね。
何がって、株主提案の議案です。
一部を引用します。

第3号議案 定款一部変更の件(商号の国内での略称および
営業マンの前置きについて)
提案の内容:当社の日本国内における略称は「YHD」と表記し、
「ワイエイチデイ」と呼称する。営業マンは初対面の人に
自己紹介をする際に必ず、「野菜、ヘルシー、ダイエットと
覚えてください」と前置きすることとし、その旨を定款に定める。
提案の理由:「社を挙げた意識改革」を求めて提案する。
貴社の現在の称号は長すぎて、著しく業務効率を悪化させている。
17のモーラがあれば俳句も詠めようというものだ。これから
三菱東京UFJ銀行の支配下に入りでもしたら、野菜證券は
三菱UFJモルガンスタンレー野菜證券となってしまうのではないかと
考えると今から悩ましい。ただ、まあこの変更によって当面年間
のべ1000人日の人件費を節約することができる。

第13号議案 定款一部変更の件(取締役の呼称について)
提案の内容:取締役の社内での呼称は「クリスタル役」とし、
代表取締役社長は代表クリスタル役社長と呼ぶ旨定款に定める。
提案の理由:取締役という言葉の響きは堅苦しい。また昨年の
株主総会で気がついたのだが、取締役会では支配下の子会社の
業績に関して全く取り締まっている様子がない。トマト栽培が
儲かっていないという報告があった場合、取締役会では「なぜ
儲からないのか」「どうやったら儲かるか」を諮らねばなるまい。
しかし「利益はそれほど出ていません」で済ませるのは取締役会
ではない。従って呼び方はいい加減なもので済ませることとする。

「株主提案は原文のまま掲載しております。」という注記が光ってます。
来年、こういう株主提案が流行るかも?

「金融法務事情」5月25日号

さっきまで「金融法務事情」という雑誌の
5月25日号を読んでいました。

今号の特集は最近話題の金融ADRです。
冒頭の座談会の記事を読むと、金融ADRの運用状況が
よくわかります。
また、金融商品販売関連訴訟の裁判例をまとめて分析した
記事も載っており、勉強になりました。

今号は、特集以外にも電子記録債権関連の記事等興味深い
記事が載っており、珍しく読みふけってしまいました。
普段は、この雑誌、時間をかけて読むことはあまりないのですが(笑

フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年5月号

学生時代、苦労して英文を読んだ記憶があるFOREIGN AFFAIRSの
日本語版を読んでみました。
「ベビー・ギャップ―出生率を向上させる方法はあるのか」
「風力・ソーラーエネルギーのポテンシャルを引き出すには
―悪い補助金からスマートな促進策への転換を」
「ヨーロッパ経済の危機再燃は避けられない―世界経済アップデート」
といった記事のタイトルに惹かれたからです。

この雑誌、特段外国人向けに書かれているわけではなく、
あくまでアメリカ国内向けの雑誌だったはずです。
なのに、この記事のラインナップって、日本人の関心と重なりますね。
いまさらですが、これがグローバル化したということなのでしょうか。


フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年5月10日発売号

やはり超光速ではなかったニュートリノ

昨年、ニュートリノの速度が光速を上回っているとの測定結果が発表され、一騒動になっていましたが、結局、測定ミスだったようです。
カミオカンデが、大マゼラン星雲でおきた超新星爆発(SN1987A)によって生じたニュートリノを捉えた際には、ニュートリノは光と同時に地球に到達していました。つまり、真空中におけるニュートリノと光の速度は同じという観測結果がすでに存在していたわけで、この結果に意外性はありません。
ただ、もしかしたら、何かの条件の下では超光速になるのかもしれないということで、新たな発見の手がかりになるのかもしれないとの期待が集まっていたのだと思います。
面白くない結果にはなりましたが、こうやって検証できることが科学の素晴らしさですね。

上野動物園

本当に久しぶりに上野動物園に行ってきました。


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