「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」が改訂されました

eコマースの実務にとって重要な「電子商取引及び
情報財取引等に関する準則」が改訂されました。
http://www.meti.go.jp/press/2012/11/20121120001/20121120001.html
ところで、今回の改正は、法律的になかなか
面白い論点を含んでいます。

例えば、利用規約の変更について、利用者の
明示的な同意がなくても、黙示的な同意が
あったと認められる場合があると明記されました。
また、システム会社がソフトウェアをハードウェアに
インストールしてユーザー会社に販売する際、
ユーザー会社が自らソフトウェアの使用許諾契約を
締結する行為を行っていない場合に当該ユーザー会社に
ソフトウェアの使用許諾が適用されるのかという
問題点についても加筆が行われています。

いずれも契約成立の根幹に関わる問題点です。
踏み込んで書いたなという印象を持ちました。
スポンサーサイト

「過失相殺」の主張

シンジケートローンにおけるアレンジャーの責任が問われた
事件につき、本日、最高裁判決が言い渡されました。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20121127160803.pdf

上告を棄却し、名古屋高裁平成23年4月14日判決(判例タイムズ
1357号158頁)を維持するという結論については、特段の感想はありません。
ただ、田原睦夫裁判官の補足意見中に気になる記載がありました。
以下、引用します。

「上告人は,上告受理申立理由書において,本件においては,
過失相殺がなされるべき旨縷々主張しているので,その
点について補足的に以下に触れておく。
確かに本件記録によれば,参加金融機関に開示された
Aの過去3期の決算書を瞥見するだけでも幾つかの計数上の
問題点が浮び上るのであり,事実審において過失相殺の有無が
問われても然るべき事案であることが窺える。しかし,上告人は,
原審迄に過失相殺の主張をしていない以上,当審で採り上げるべき
論点でないことは言う迄もない。」

石川博康「再交渉義務の理論」

事情変更法理、契約における協議条項を通して、
再交渉義務を考察した研究書です。
事情変更法理にしろ、協議条項にしろ、非常に
見通しの悪い問題で、本書においてもすっきりとした
答えが示されているわけではありません。
ただ、どういうことが問題となるのかという
手がかりは与えてくれています。

再交渉義務の理論再交渉義務の理論
(2011/08/26)
石川 博康

商品詳細を見る

猪瀬直樹氏が人気ってほんとうですか?

「「猪瀬」圧勝情報で始まる裏バトル」という見出しにつられて
普段読んでいないサンデー毎日を買ってきました。

記事によると、自民党本部が10月27日と28日の2日間に行った
世論調査の結果、猪瀬氏が54ポイントを獲得して、今選挙すれば
同氏が圧勝する情勢にあることが分かったのだそうです。

猪瀬氏と言えば、作家、評論家、道路関係四公団民営化推進委員会委員、
東京都副知事といった様々な分野での活躍で知られた人物ですが、
人気があるという話は聞いたことがありません。
この話、私にとってはかなり意外な話です。
ほんとうなのでしょうか。

集合知

10月31日の経済教室で、西垣通教授が、集合知について
興味深いことを書いています。

私も以前読んだことのある「「みんなの意見」は案外正しい」で
紹介されている通り、専門家の意見よりも、素人の多数意見の方が
正しいことがしばしばあります。
たとえば、「クイズ・ミリオネア」の例では、専門家に聞くよりも、
視聴者代表集団のアンケート結果を参考にした方が正答する確率が
高いと言われています。

西垣教授がその理由を説明してくれています。
以下、引用します。


「いまスタジオに100人の視聴者代表がいて、①4択問題の正解を
知っている者が10人②2つの選択肢に絞り込める者が25人③3つの
選択肢に絞り込める者が25人④全然見当がつかない者が40人の4グループに
分けられるとしよう。このとき、アンケートをとると、正解を選ぶ者は
平均で約41人と計算できる。一方誤った3選択肢については、
選ぶものはいずれも平均で20人弱にすぎないので、集団平均としては
ほぼ間違いなく正解が選ばれる。つまり正解が分かる者はたった1割、
全然分からない者が4割に及ぶ素人集団でも、「集合知」としては
見事に正解を答えてしまうのだ。
これはいわゆるランダム選択の仮定に基づいている。例えば、2つの
選択肢に絞り込んだ者25人の正答率は50%であり、平均として
12.5人が正解を選ぶことになる。」

西垣教授の主張の主眼は、このような集合知にもさまざまな限界があるため、
ネット集合知と直接民主主義を短絡させるべきではなく、ネット集合知を
有効なものにしていくために、精密が議論が必要とされているということにあります。

しかし、情報学の素人としては、まずは集団が見せる上記のような能力が
どのように発現するのかに興味がわきました。

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)
(2009/11/25)
ジェームズ・スロウィッキー

商品詳細を見る

宇賀克也・長谷部恭男編「情報法」

情報法というのは見慣れない言葉ですが、本書のはしがきによれば、
情報の伝達、公開、保護等に関する法の総称です。

内容は、憲法、行政法、民法・消費者法、知的財産法、刑法等
多岐にわたっています。
反面、細かいことまでは書いてありません。
ただ、この種の本は、だからこそいいという考え方もできます。
短時間でざっと読んで、問題意識だけ把握しておくと、普段扱っていない
分野であっても、何かあった時に、こういうことが問題となりそうだと
直観が働くからです。

情報法情報法
(2012/09/27)
不明

商品詳細を見る
フリーエリア
プロフィール

大久保宏昭

Author:大久保宏昭
本ブログをご覧いただき、ありがとうございました。

リンク
カウンター
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR