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谷口勢津夫「税法基本講義」第3版

税法の基本文献と言えば金子宏「租税法」第17版です。
税法に関しては、最終的にはこの本を読みこなし、
自力で条文や判例を読めるようになる必要があります。
ただ、いかんせんこの本は分厚すぎて、初学者の学習用途には
向きません。

一方で、税法の入門書には、単純に制度を紹介しているだけで
条文や判例を読む力を養うには向かない本が多いという印象があります。

その点、最近読んだこの本は、分厚すぎず、それでいて
法律家の考え方になじむ記述がなされていて、これから
税法の基礎を学ぼうという法律家にとっては良い本だと思いました。

税法基本講義 第3版税法基本講義 第3版
(2012/09/11)
谷口 勢津夫

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医薬品のインターネット販売に関する最高裁判決

医薬品のインターネット販売について、法律(薬事法)による
明確な授権なしに省令(薬事法施行規則)によって規制することは
許されないとする最高裁判決が平成25年1月11日に言い渡されました。

最高裁は、職業活動の自由は憲法22条1項により保障されていると
述べた上で、医薬品のインターネット販売を規制することは
職業活動の自由に対する制約になるため、当該規制には
薬事法による明確な授権が必要としました。
そして、そのような授権は薬事法によってなされていないとして、
次のとおり、結論付けています。

「新施行規則のうち,店舗販売業者に対し,一般用医薬品のうち
第一類医薬品及び第二類医薬品について,① 当該店舗において対面で
販売させ又は授与させなければならない(159条の14第1項,
2項本文)ものとし,② 当該店舗内の情報提供を行う場所において
情報の提供を対面により行わせなければならない(159条の15第1項1号,
159条の17第1号,2号)ものとし,③郵便等販売をしてはならない
(142条,15条の4第1項1号)ものとした各規定は,
いずれも上記各医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止することとなる限度において,
新薬事法の趣旨に適合するものではなく,新薬事法の委任の範囲を
逸脱した違法なものとして無効というべきである。」

ところで、本訴訟におけるナゾは、法改正によってなすべき規制を、
なぜ施行規則の改正で済ませたのかということです。
この点、本最高裁判決は、平成18年の薬事法改正と平成21年の
薬事法施行規則改正の経緯を相当程度紹介しています。
たとえば、平成18年薬事法改正に関して、次のとおりのやりとりがあったそうです。

「上記法案の審議において,政府参考人である厚生労働省医薬食品局長は,
医薬品については対面販売が重要であり,インターネット技術の進歩は
めざましいものの,現時点では検討部会報告書を踏まえて医薬品販売における
その利用には慎重な対応が必要である旨答弁した。また,参考人として出席した
検討部会の部会長は,検討部の経緯及び検討部会報告書の内容を説明した上,
上記法案はこれらを十分に踏まえたものであり,医薬品はその本質として
副作用等のリスクを併せ持つから,適切な情報提供が伴ってこそ真に安全で
有効なものとなるが,これを対面販売で行っていこうというのが
今回の議論の出発点であるなどと述べた。こうした審議を経て,上記法案は,
衆参両院で賛成多数により可決成立した。」

対面販売で行っていこうということは、裏返すとインターネット販売は
禁止していこうということです。
ところが、改正前の薬事法も改正後の薬事法も医薬品のインターネット販売を
具体的に禁止してはいませんでした。
本最高裁判決の一部を引用します。

「新薬事法36条の5及び36条の6は,いずれもその文理上は
郵便等販売の規制並びに店舗における販売,授与及び情報提供を
対面で行うことを義務付けていないことはもとより,その必要性等について
明示的に触れているわけでもなく,医薬品に係る販売又は授与の方法等の
制限について定める新薬事法37条1項も,郵便等販売が違法と
されていなかったことの明らかな旧薬事法当時から実質的に改正されていない。
また,新薬事法の他の規定中にも,店舗販売業者による一般用医薬品の販売
又は授与やその際の情報提供の方法を原則として店舗における
対面によるものに限るべきであるとか,郵便等販売を規制すべきであるとの趣旨を
明確に示すものは存在しない。
なお,検討部会における議論及びその成果である検討部会報告書並びに
これらを踏まえた新薬事法に係る法案の国会審議等において,
郵便等販売の安全性に懐疑的な意見が多く出されたのは上記事実関係等のとおりであるが,
それにもかかわらず郵便等販売に対する新薬事法の立場は上記のように不分明であり,
その理由が立法過程での議論を含む上記事実関係等からも全くうかがわれない
ことからすれば,そもそも国会が新薬事法を可決するに際して
第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を禁止すべきであるとの意思を
有していたとはいい難い。」

結局、なぜ法改正によって対応しなかったのか、最高裁にも
分からなかったということのようですね。

下請法違反事件激増?

公正取引委員会が2012年に下請法に基づいて発注元に勧告し、下請け業者に対する返還を求めた金額は約48億6800万円で、2011年の約2.7倍となったと報道されています。
約2.7倍というのは穏やかではありません。
何が理由でこんなに増えたのか知りたいと思い、公正取引委員会のウェブサイトを見てみたところ、昨年12月19日の事務総長会見において、事務総長が下記のとおり述べていたことがわかりました。
どうやら金額の大きい案件があったことが原因のようですね。

「下請法違反事件について申し上げますと,平成24年におきましては,暦年で21件の勧告をこれまで行っているところです。これは,平成16年4月の改正下請法の施行以降最多の件数となっております。また,卸・小売業者によるプライベートブランド商品に係る事件の勧告がこの21件のうち15件となっておりまして,この15件も件数としては過去最多となったことが特徴として挙げられます。
 次に勧告の対象となった違反行為の行為類型を見ますと,減額以外にも,受領拒否の案件が1件,返品が5件,不当な経済上の利益提供要請,これは協賛金などですが,5件について勧告を行ったことが挙げられます。特に,たち吉の事件については,受領拒否に対する勧告を行っておりまして,これは平成16年の改正下請法の施行以降初めてのものでした。また,日本生活協同組合連合会の案件では,25億円を超える減額が行われていたということもありまして,平成24年においては,勧告に基づく原状回復措置として,下請事業者が被った不利益総額で約49億円が下請事業者延べ約1,800名の方に支払われておりまして,この額についても平成16年の改正下請法以降最多の金額となっているところであります。」
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