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嫌儲

「嫌儲」という言葉をwikipedeiaで調べてみると、次のように説明されています。

「嫌儲(けんちょ、けんもう、いやもう)とは、利益利用を嫌うことを意味するインターネットスラング。文字通り「金を儲けることを嫌うこと」を意味し、特に、(アフィリエイト広告等で)他人が楽に儲けることに対する心情的反感といった意味合いがある。また、2ちゃんねるの書き込みなどを商用利用する行為を嫌うこと、また嫌う人々を指す。」

ところで、スペインで著作権法の改正があり、グーグルニュースのスペイン版サイトが閉鎖されたそうです。
メディア等が公開しているネット上の記事を集めて閲覧者に提供することは、たとえ無償で閲覧に供していても、それにより広告収入を得ていれば「ただ乗り」に当たるとの批判があります。
その批判を受けて、スペインでは、ネット上の記事を収集して閲覧に供する業者に対して、利用料をメディアに支払うことを義務付ける法改正を行いました。
そのために、グーグルニュースのサイトが閉鎖に追い込まれたというのです。

その結果どうなったか。
2015年1月26日付日本経済新聞の記事を引用します。

「世界中の利用者がスペインの新聞社などの記事にアクセスしづらい状況が続いているほか、同国の中小メディアは、サイトに流入する利用者が減少して広告収入に影響が出かねないと危機感を抱いている。」

趣味で記事をネットに投稿しているだけの人であれば、「ただ乗り」を嫌い、著作権保護の強化をひたすら主張する嫌儲として振る舞っていてもよいのでしょう。
しかし、メディアは、極めて悩ましい問題に直面しているようです。
なにしろ、メディアである日本経済新聞社自身がこのように報じているわけですから。
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吉岡明子・山尾大編「「イスラーム国」の脅威とイラク」

人質事件で日本国内においても注目を集めている
イスラーム国について知るために、最近出版された
「「イスラーム国」の脅威とイラク」を読んでみました。

なぜ「イスラーム国」はここまで脅威となっているのか。
なぜイラク第二の都市モスルは、あっという間に陥落したのか。

その質問に対する答えには、多分、簡単な答えと複雑な答えの二つが
あると思いますが、この本は簡単な答えを教えてくれます。

その簡単な答えは、イラク軍が信じられないくらい
「弱い」ということです。
どの程度「弱い」のか。
以下、引用します。

「モスルには数万人規模のイラク軍が治安維持のために
駐留していた。にもかかわらず、国軍の兵士は数千人規模の
「イスラーム国」による急襲の前に、なす術もなく崩れ去り、
軍服を脱ぎ捨てて離散した。警官もその後に続いた。
「イスラーム国」は国軍や警察の重軽火器をまるごと奪った。
こうして、イラク第二の都市はわずか二四時間足らずのうちに
陥落した。」

しかも、その「弱さ」は特段複雑な背景があってのものではなさそうです。

「モスル陥落の根本的な原因は、当初しきりに主張されたこと、
つまりマーリキー政権がスンナ派を冷遇したことでも、
宗派対立でもなかった。なによりも、CPAが再建に失敗した軍や
治安機関が放置されたままであったことが問題であった。」

ただ、再建に失敗したという説明もまゆつばです。

「クルディスタン地域政府の軍隊ペシュメルガを率いるジャッバール・ヤーウィル
大臣官房は、モスル陥落の最大の要因は、2004年以降イラク軍の再建が
完成しておらず、脆弱な状態にあったことに求められる、と明言している。」と
ありますが、総兵力22万人とも言われるペシュメルガもこんな状態だからです。

「モスル陥落からおよそ二カ月後、バグダードを攻めあぐねた
「イスラーム国」は、イラク・シリア間の支配地域の確立や、
ダムや油田といった戦略拠点の攻略を狙って、ペシュメルガの支配地域へと
矛先を変えた。それまでもディヤーラー県などでは、「イスラーム国」と
ペシュメルガの間で、散発的な戦闘は起こっていたが、八月二日頃からは
「イスラーム国」側がモスル周辺で本格的な攻勢をしかけ、不意を衝かれた
ペシュメルガは次々と撤退する。三日にはモスル東部のスィンジャール、
ズンマール、ラビーアなどを陥落させ、さらに六日から七日にかけては、
バルテッラ、バアシーカ、カラクシュといった、モスルの北東部や南東部の
町も制圧するに至った。一時はモスル・エルビール間でペシュメルガの
防衛ラインがかつてのグリーンラインまで下がり、主都エルビールの防衛さえも
危ういのではないかという危機感が瞬く間に広がった。」

この名状しがたい「弱さ」は、一つのことを想起させます。
中東戦争におけるアラブ諸国の弱さです。
たとえば、イスラエルが独立を宣言した1948年、ろくな兵器を持っていなかった
イスラエル軍3万人を相手にして15万人以上の兵力を有していたアラブ側が
負けています(第一次中東戦争)。
また、第三次中東戦争では、イスラエルとエジプト、シリア、イラク、ヨルダンが
戦い、たった6日間でイスラエル側が支配地域を4倍にまで拡大しました。

それにしても、数千人規模の武装勢力を前に数万人の軍隊が
軍服を脱ぎ捨てて逃げていくというのは、にわかに信じがたい話です。
ただ、アラブはまだ「前近代」の状態にあるのではないかとの仮説を立てみると
了解可能となります。
前近代国家は、近代国家に比べると徹底的に弱いからです。
たとえば、アヘン戦争では、3億人の人口を支配していた清が、
1万人以下のイギリス軍を前にして、なすすべもなく屈服しています。

アラブはまだ前近代の状態にある。
これが、なんだか馬鹿馬鹿しくなるような「真実」なのかもしれません。

「イスラーム国」の脅威とイラク「イスラーム国」の脅威とイラク
(2014/12/26)
不明

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ヤマト運輸のメール便廃止

メール便に手紙などの信書が混ざると利用者が刑事罰を受けることがあるとして、ヤマト運輸がメール便サービスを廃止すると発表しました。

事業規制において利用者が罰を受けるというのは珍しいと思い、郵便法を確認してみました。たしかに日本郵便株式会社以外の業者に信書の送達を委託することが禁止されており(同法4条4項)、これに違反した場合には「事業の独占を乱す罪」(同法76条)が成立することになるようです。

事業規制では、通常は物品・サービスの供給者側にのみ刑罰が科されるようになっています。需要者側も罰せられるとは、郵便に関する規制はかなり厳しいものになっているのですね。

もっとも、平成15年4月に施行された「民間事業者による信書の送達に関する法律」(信書便法)により、一般信書便事業の許可を受けた者であれば、日本郵便株式会社ではなくとも、手紙の送達サービスを提供する事業を営むことができるとされています。そこで、制度上は、日本郵便株式会社による郵便事業独占の建前はすでに崩れているわけです。

ただ、日本全国においてサービスを提供することが一般信書便事業の許可の条件となっており、そのハードルがあまりにも高いために、一般信書便事業の許可を受けた業者は1社もありません。

信書便事業者一覧
http://www.soumu.go.jp/yusei/tokutei_g.html

ヤマト運輸は信書の取扱いについて議論が必要だと主張しているようですが、それは信書便法の許可の条件があまりにも厳しすぎるということを言っているのだと思われます。
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