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IGZO商標無効審決取消訴訟判決

下記登録商標(「本件商標」)の登録を無効とした特許庁の審決を取り消すことをシャープ株式会社(「シャープ」)が求めた訴訟につき、知財高裁が同社の請求を棄却する判決(「本件判決」)を平成27年2月25日に言い渡しました。
                             記
商標 IGZO(標準文字)
登録番号 商標第5451821号
指定商品 電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、電池、配電用又は制御用の機械器具

本件商標はシャープが平成23年6月24日に登録出願をし、同年11月18日に設定登録を受けたものなのですが、知財高裁はその判断において、次の事実を認定しています。

① 東京工業大学の細野秀雄教授が、平成7年の国際会議において、「In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びO(酸素)の複合物からなる酸化物」(「本件酸化物」)を指す語として「IGZO」の語を紹介したこと
② 平成23年10月25日までに特許庁に出願された1027件の特許に係る特許請求の範囲又は明細書の記載中において、「IGZO」の語が用いられていること

そして、それらの事実を前提として、本件商標は指定商品との関係で自他識別力を有するということはできないし、特定人による独占使用を認めることが公益上適当であるとも言えないとして、特許庁の審決の判断は相当であるとしています。


ところで、この紛争は、多くのメーカーが本件酸化物に関する研究開発をしていたのに、シャープがIGZOという商標を独占することは許せないとして、本件酸化物に関する特許権を有する独立行政法人科学技術振興機構が無効審判請求をしたことによって始まりました。
この判決により、一見シャープが極めて不利な状況に陥ったようにも見えます。
しかし、無効審決が確定したとしても、シャープは本件商標を引き続き使用することができます。独占的に使用することができなくなるだけです。(言い換えると、他社に独占される可能性は潰せたわけです。)
しかも、本件判決において、わざわざ「本件では、原告から、法3条2項該当性(いわゆる使用による特別顕著性)の主張はされていない。」と言及されているとおり、将来において、使用により出所識別力を有するに至ったとして、登録が認められる可能性すら存在します。
ですから、シャープ自身は大したダメージは受けていないと考えているかもしれません。
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岡本隆司「袁世凱――現代中国の出発」

清朝末期について個人的に抱いていた以下の疑問に答えてくれる本でした。
①日清戦争において、日本軍はなぜ直隷総督という地方官が率いる淮軍という地方軍と戦ったのか。
②辛亥革命において、いきなり登場して権力を奪取したように見える袁世凱という人物はどこからやってきたのか。
中国の歴史に興味がある人であれば、読んで損はない本だと思います。

ただ、「キャスティング・ボード」なる表記が用いられているのが気になりました。
casting voteなので、「ド」ではなく「ト」ですよ。

袁世凱――現代中国の出発 (岩波新書)袁世凱――現代中国の出発 (岩波新書)
(2015/02/21)
岡本 隆司

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「お家騒動」の続報

例の事件、勝久氏が身を引き決着が付いたと思っていましたが、そうではなかったようです。
株式会社大塚家具の発表によると、勝久氏は、同社の株主として、次の議題を平成27年3月27日開催予定の定時株主総会の目的とすることを求めています。

<議題1>
取締役10名(大塚勝久、大塚勝之、渡辺健一、池田真吾、所芳正、岩﨑二郎、宇田川秀人、富松善彦、名取勝也、伊藤勝彦)選任の件

「株主提案に対する当社取締役会意見について」

現在の取締役(8名)の顔ぶれと比較すると、次の取締役が漏れています。

大塚久美子、佐野春生、中尾秀光、阿久津聡、長沢美智子

逆に上記公表文記載の会社提案の取締役候補者と現在の取締役の顔ぶれを比較すると、次の取締役が漏れています。

大塚勝久、大塚勝之、渡辺健一、中尾秀光

このように同社の取締役らが二つの陣営に分かれ、株主総会においてぶつかり合うことになりました。
久美子氏側は「外国人株主を含む株主との建設的な対話を重視する経営方針をとっており、機関投資家からも厚い信頼を勝ち得ております。」と自信を覗かせていますが、さてどうなるのでしょうか。

共同相続された株式の議決権行使の方法

株式の共有者による議決権行使の方法については、会社法106条本文がその原則を定めています。ただ、同条ただし書は、株式発行会社の同意があった場合には、同条本文は排除されるとしています。
このただし書の解釈に関して、株式発行会社の同意さえあれば、株式の共同相続人のうちの一人が単独で議決権を行使できることになるのか否かが問われた事案につき、平成27年2月19日最高裁判所第一小法廷判決が判断しました。

事案の概要は以下のとおりです。

① 特例有限会社であるY社は3000株の株式を発行していた。
② うち2000株(「本件準共有株式」)は、A及びXが各2分の1の割合で共同相続し、未分割の状態にあった。
③ 平成22年11月11日に開催された臨時株主総会(「本件総会」)においてAが本件準共有株式全部について議決権を行使した(「本件議決権行使」)。
④ 本件準共有株式について、会社法106条本文の規定に基づく権利を行使する者の指定及びY社に対するその者の氏名又は名称の通知はされていなかったが、Y社は、本件総会において、本件議決権行使に同意した。
⑤ Xは本件総会における決議には決議の方法等につき法令違反があるとして当該決議の取消を求めて訴えを提起した。

この事案について、最高裁判所は下記のとおり判断した上で、本件議決権行使は民法の共有に関する規定に従ったものではないからY社がこれに同意しても適法となるものではないとして、上記決議は取り消されるべきものであると判断しました。

「会社法106条本文は,「株式が二以上の者の共有に属するときは,共有者は,当該株式についての権利を行使する者一人を定め,株式会社に対し,その者の氏名又は名称を通知しなければ,当該株式についての権利を行使することができない。」と規定しているところ,これは,共有に属する株式の権利の行使の方法について,民法の共有に関する規定に対する「特別の定め」(同法264条ただし書)を設けたものと解される。その上で,会社法106条ただし書は,「ただし,株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は,この限りでない。」と規定しているのであって,これは,その文言に照らすと,株式会社が当該同意をした場合には,共有に属する株式についての権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものと解される。そうすると,共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において,当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは,株式会社が同条ただし書の同意をしても,当該権利の行使は,適法となるものではないと解するのが相当である。」

会社法106条ただし書の同意があり、会社法106条本文の適用が排除された場合には、民法の共有の規定に従わなければならなくなるというのがポイントです。

株価算定に係る判決(平成27年2月19日最高裁判所第一小法廷判決)

事案の概要は以下のとおりです。

① 非上場会社A社は平成15年11月に自己株式の処分を行った。その際株価の算定を依頼されたB会計士は配当還元法を用いてA社の株式を1株1500円と算定した。
② 平成16年2月19日、A社の取締役会は、1株1500円で4万株の新株発行(「本件新株発行」)を行う旨決議した。
③ そして、これを受けて、平成16年3月8日にA社株主総会において本件新株発行を行う旨の特別決議がなされた。なお、その際、A社の取締役Yらは、「特ニ有利ナル発行価額」をもって株主以外の者に対し新株を発行することを必要とする理由の説明をしなかった。
④ 平成18年2月、A社は1株を10株にする株式分割を行った。
⑤ 平成18年3月、A社は新株22万株を1株900円で発行した。
⑥ A社の株主であるXは、本件新株発行における発行価額は商法280条ノ2第2項の「特ニ有利ナル発行価額」に当たるのに、Yらは同項後段の理由の開示を怠ったとして、株主代表訴訟を提起した。

上記事案につき、原審は次のとおり判断していました。

A社の株式は、平成18年3月の時点で株式分割前の1株当たり9000円程度の価値を有していた。そして、DCF法によれば平成16年3月時点の価値は1株7897円と算定されるから、本件新株発行の発行価額は「特ニ有利ナル発行価額」に当たる。B会計士が採用した配当還元法は、主として少数株主の株式評価において、安定した配当が継続的に行われている場合に用いられる評価方法であって、本件においては相当性を欠く。

ところが、最高裁は、下記のとおり述べた上で、本件においては一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたということができ、本件新株発行における発行価額は「特ニ有利ナル発行価額」には当たらないとして、原審の判断を否定しました。

「非上場会社の株価の算定については,簿価純資産法,時価純資産法,配当還元法,収益還元法,DCF法,類似会社比準法など様々な評価手法が存在しているのであって,どのような場合にどの評価手法を用いるべきかについて明確な判断基準が確立されているというわけではない。また,個々の評価手法においても,将来の収益,フリーキャッシュフロー等の予測値や,還元率,割引率等の数値,類似会社の範囲など,ある程度の幅のある判断要素が含まれていることが少なくない。株価の算定に関する上記のような状況に鑑みると,取締役会が,新株発行当時,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額を決定していたにもかかわらず,裁判所が,事後的に,他の評価手法を用いたり,異なる予測値等を採用したりするなどして,改めて株価の算定を行った上,その算定結果と現実の発行価額とを比較して「特ニ有利ナル発行価額」に当たるか否かを判断するのは,取締役らの予測可能性を害することともなり,相当ではないというべきである。したがって,非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたといえる場合には,その発行価額は,特別の事情のない限り,「特ニ有利ナル発行価額」には当たらないと解するのが相当である。」

事前求償権を被保全債権とする仮差押えの効力

平成27年2月17日最高裁判所第三小法廷判決の判旨は次のとおりです。

「事前求償権を被保全債権とする仮差押えは、事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有する。」

最高裁は、その理由を次のとおり述べています。

「事前求償権は,事後求償権と別個の権利ではあるものの(最高裁昭和59年(オ)第885号同60年2月12日第三小法廷判決・民集39巻1号89頁参照),事後求償権を確保するために認められた権利であるという関係にあるから,委託を受けた保証人が事前求償権を被保全債権とする仮差押えをすれば,事後求償権についても権利を行使しているのと同等のものとして評価することができる。また,上記のような事前求償権と事後求償権との関係に鑑みれば,委託を受けた保証人が事前求償権を被保全債権とする仮差押えをした場合であっても民法459条1項後段所定の行為をした後に改めて事後求償権について消滅時効の中断の措置をとらなければならないとすることは,当事者の合理的な意思ないし期待に反し相当でない。」

NSA=デススター?

Kaspersky Labが、「EQUATION GROUP」と呼ぶハッカー集団に関する44ページの報告書を公表しました。

EQUATION GROUP: QUESTIONS AND ANSWERS

Kaspersky Lab自体は名指ししていませんが、同集団の正体はNSAであると報じられています。
その報道を踏まえて、上記報告書の表紙を見返してみると、Kaspersky Labが何を言いたいのかが伝わってきます。

大塚家具の「お家騒動」

2014年7月に大塚久美子社長が解職され、父親であり創業者でもある大塚勝久氏が社長に復帰したと思いきや、半年後には久美子氏が社長に復帰するという「お家騒動」が株式会社大塚家具で起きました。

背景に親子間での営業方針を巡る対立があり、社長に復帰した勝久氏が接客方法を旧来のものに戻したところ、営業成績が下がってしまったので、その責任を勝久氏がとったかたちと報じられています。
しかし、一旦復帰した創業者がたった半年で社長を辞職するというのは異例なことです。

通常でないことが起きた背景を公表されている有価証券報告書、大量保有報告書等から探ってみると次のことが分かりました。

① 勝久氏は同社の発行済み株式の18.04%しか保有していません。
② 久美子氏がコントロールしていると言われている株式会社ききょう企画が発行済み株式の9.75%を保有し、外資投資ファンド「ブランデス・インベストメント・パートナーズ・エル・ピー」が10.29%を保有しています。
③ 同社の取締役は8人いますが、うち3名は社外取締役であり、その3名のうち2名は久美子氏が社長であった時期に同社の取締役にはじめて就任しています。

業績悪化を盾に久美子氏が勝久氏と徹底的に戦った場合、上記株主構成及び取締役会構成からして容易には決着が付かないことになったと思われます。
闘争が長引けば、大塚家具の企業価値そのものが毀損されることになってしまったでしょう。
そこで、勝久氏が身を引くことになったのだと思われます。

営業秘密の漏えい防止

産業構造審議会知的財産分科会の営業秘密の保護・活用に関する小委員会が、「中間とりまとめ」と題する文書を公表しています。

この内容につき、海外における営業秘密の不正使用や海外企業に対する開示といった行為について、原則よりも重い法定刑を設ける方針を政府が固めたということはすでに報道されています。
しかし、それは「中間とりまとめ」で述べられていることのごく一部でしかありません。
営業秘密の漏えいを防止するためには、様々なレベルでの対策が不可欠だからです。

「高度プロフェッショナル制度」の創設

「ホワイトカラー・エグゼンプション」の是非ということで議論されてきた問題ですが、結局、「高度プロフェッショナル制度」の創設ということで決着が付きました。

同制度の概要は「今後の労働時間法制等の在り方について(平成27年2月13日労働政策審議会建議)」の8頁以降、法律案は「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」(諮問)の5頁以降に記載されています。
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