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「『労使双方が納得する雇用終了の在り方』に関する意見」

「政府の規制改革会議は25日、すでに裁判で不当と認められた解雇を、金銭補償で解決する制度の導入をめざす意見書をまとめた。」(平成27年3月26日付日本経済新聞第14版3頁)と報じられていましたが、その意見書が公表されています。


「『労使双方が納得する雇用終了の在り方』に関する意見」

以下、その一部を引用します。

「訴訟の長期化や有利な和解金の取得を目的とする紛争を回避し、当事者の予測可能性を高め、紛争の早期解決を図ることが必要である。このため、解雇無効時において、現在の雇用関係継続以外の権利行使方法として、金銭解決の選択肢を労働者に明示的に付与し(解決金制度の導入)、選択肢の多様化を図ることを検討すべきである。またこの制度は、労働者側からの申立てのみを認めることを前提とすべきである。
 一方、解決金制度の設計・導入の仕方によっては、現状の訴訟を通じた和解と比べて解決に至るまでの期間が長期化する懸念もある。紛争当事者の行動に及ぼす影響に十分留意しつつ、検討を進めるべきである。」

上記後段にもありますとおり、上記解決金制度の導入が明白なメリットをもたらすようには現状見えません。
ですから、これからも議論が続きそうです。
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中里実 他「クロスボーダー取引課税のフロンティア」

国際課税に関する論文集ですが、収録されている論文の一つ、太田洋「多国籍企業のタックス・プランニングとBEPSプロジェクト」は、下記の国際的節税スキームの概略を分かりやすく解説してくれているのみならず、国際課税に関する最新の情報を補遺という形でまとめてくれており、興味深いものでした。

① Double Irish with a Dutch Sandwich
② Swiss Principal Structure
③ Swiss Trading Company

クロスボーダー取引課税のフロンティア (西村高等法務研究所理論と実務の架橋シリーズ)クロスボーダー取引課税のフロンティア (西村高等法務研究所理論と実務の架橋シリーズ)
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中里 実、 他

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木庭顕「[笑うケースメソッド]現代日本民法の基礎を問う」

一見、判例を題材にした通常のテキストのように見えます。
目次を見ても、「時効」、「金銭債権」、「契約」、「所有権」といった御馴染みの言葉が並んでいます。
本屋で平積みになって売られていましたから、民法を学習するつもりで買ってしまった人もいるかもしれません。

しかし、この本は、同じ著者の手になる「ローマ法案内」、「現代日本法へのカタバシス」に連なるものであり、その内容は通常の教材のそれとはまったく異なります。
通説判例を説明するのではなく、著者のローマ法研究の成果に基づいて、「占有」、「所有権」、「契約」、「不法行為」といった概念の基礎を問い直す内容となっています。

著者が繰り返し強調するのは「占有」という概念の重要性であり、著者はそこにこそ法の根源があると主張しています。
以下、一部を引用します。

「さてさて、ようく聴いてください!じつはこれで占有の定義が可能です。占有という、二千年来難解で知られる概念の正体です!つまり、一方に対象物との個別的で明快で固い関係がある。他方にこれを包み込むようにして圧迫する集団、いまいったような集団がある。その集団は錯綜していて透明でない。コントラストが浮かびあがりますよね。土地をめぐる人びとの関係を、あるいはおよそリソースをめぐる人びとの関係を、このコントラストで捉える。微妙でコントラストがはっきりしないように見えるときにもよく分析し、あえてどちらかに軍配を上げる。このときわれわれは、「一方に占有があり、他方には暴力がある」と認定します。法は、このとき占有の側にアプリオリの価値を見出します。あえて極端に、1と0の関係だと考えます。なぜか?
個人が対象物とのあいだに、ほかのもろもろの絡みからきっぱりと切り離された明快で固い関係を築いている場合、「しかもそれは見かけだけでじつはひそかになにかの集団に通じている」などというのでない場合、いかなる理由があろうと、これをいきなり奪う、その関係をいきなり破壊するということは絶対にしてはならない。これが法全体の根底にある原理です。つまりそういうことをするのは不透明な集団ですから、これを生み出すメカニズムを徹底して嫌い、それらを解体する。これが法の任務です。」(本書14~15ページ)

つまり、この本は「占有」という概念を梃子に民事法制度全体を説明してしまおうという野心的なプロジェクトの成果物とも言えるでしょう。

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