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井上達夫「九条問題再説」

「法の理論」という成文堂が出版しているムックの33巻に掲載されている標記の論文を読んでみました。

集団的自衛権を巡る憲法論議が盛んなようですが、憲法9条がらみの憲法学者の議論というものは、(私から見て)難解(意味不明)な言葉が飛び交っているだけのことが多く、あまり興味を持てずにいました。

しかし、井上教授の論文は、私にも理解できる言葉で書かれています。井上教授は法哲学者なのですが、憲法を巡る議論において、法哲学者の言葉が分かりやすく、憲法学者たちの言葉が難解(意味不明)というのですから、奇妙な話です。


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東芝に対するクラスアクション訴訟の動き

さっそく始まったようです。

The Rosen Law Firm files a class action lawsuit on behalf of purchasers of Toshiba Corporation (OTC: TOSYY, TOSBF) securities between May 8, 2012 and May 7, 2015 resulting from allegations that Toshiba may have underestimated contract costs and improperly recorded contract losses for certain infrastructure projects.

http://www.rosenlegal.com/cases-627.html

東芝の第三者委員会調査報告書

株式会社東芝が、第三者委員会の調査報告書全文を公表しました。
http://www11.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150721_1.pdf
300頁程度のボリュームがあるものですので、その一部にしか目を通しておりませんが、経営トップに対して、次の通り、かなり思い切った評価を加えているのが目につきました。

「本案件のうちいくつかの案件については、P、GCEO又はCFOといった経営トップが意図的な見かけ上の当期利益の嵩上げの実行や費用・損失計上の先送りの実行又はその継続を認識したのに、中止ないし是正を指示しなかったものが認められる。また工事進行基準案件の中には、社内カンパニーから工事損失引当金の計上の承認を求められたのに対し、経営トップがこれを拒否したり先延ばしの方針を示したと認められる案件がある。また、PC事業においては、経営トップが、ODM部品の押し込みによる見かけ上の利益の嵩上げを行わざるを得ない状況になりかねないことを認識しつつ、社内カンパニーに対して厳しい「チャレンジ」を課してそのような状況に追い込んだり、社内カンパニー側がODM部品の押し込みによる見かけ上の利益の嵩上げを解消する意向を示したのに対して難色を示した事実も認められる。
 そして、このようにコーポレートの経営トップらの関与等に基づいて、不適切な会計処理が多くのカンパニーにおいて同時並行的かつ組織的に実行又は継続された不適切な会計処理については、経営判断として行われたものと言うべく、これを是正することは事実上不可能であった。」

会計処理に関しては、次のような目を疑うような表現すら用いられています。

「本案件のうちのいくつかの案件においては、実際に会計処理を担当する担当者ら、その上長である事業部長及びカンパニーのトップであるCPらにおいて、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準について、十分な知識を有していない状況がみられた。このため、引当金の計上等の会計処理を行う必要性を裏付ける事実が発生していること自体は認識しつつも、合理的な理由もないままに適切な会計処理を怠っているものがみられた。」

「いくつかの案件については、東芝において定められている会計処理基準が適切なものではなかったことが原因で不適切な会計処理が行われていた。」

本件、これから様々な法的手続きが開始されることになりそうですので、さらに面白い話が出てくるかもしれません。
今後の展開を見守っていきたいと思います。

米国リミテッド・パートナーシップの法人格

最高裁判所が、アメリカ合衆国デラウェア州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(「LPS」)について、租税法上の法人に当たるとの判断を示しました(平成27年7月17日付判決)。

本件では、デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて締結されたリミテッド・パートナーシップ契約により設立されたLPSが、所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号における外国法人として、法人格を有するか否かが問題となりました。

この点、最高裁はまず次のとおり判断基準を示しました。

外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たっては、まず、①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから、当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討し、これができない場合には、次に、②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるかを判断すべきである。

続けて、最高裁は、上記判断基準を用いて、次のとおり判断しました。

(まず上記①の観点から検討してみると、)デラウェア州LPS法や関連法令の他の規定の文言を参照しても本件LPSがデラウェア州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるとは言い難い。
そこで、(次に上記②の観点から検討してみると、)デラウェア州LPS法の定め等に鑑みると、本件LPSは、自ら法律行為の当事者となることができ、かつ、その法律効果が本件LPSに帰属するものということができるから、権利義務の帰属主体であると認められる。
そうすると、(結論として、)本件LPSは、所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものというべきである。

外国法に基づいて組成された組織体が日本法上どのように扱われるかは、実務上よく問題となることです。
上記判決は直接的にはデラウェア州LPS法に基づいて設立されたLPSが所得税法及び法人税法上の法人に当たるか否かについて判断しているだけですが、最高裁判所が示した上記判断基準は、他の場面においてもかなり参考になりそうです。

債権譲渡における異議をとどめない承諾と善意無重過失

債権譲渡を債務者が承諾するにあたって、何らの異議もとどめなかった場合には、債権譲受人が債権を行使してきたときに、債務者は譲渡人に対して主張できた一切の抗弁事由を譲り受け人に対して主張できないとされています(民法468条1項本文)。

ただし、判例により、譲受人が上記抗弁切断の効果を受けるためには、善意でなければならないとされていました(最判昭和42年10月27日民集21巻8号2161頁)。
学説上は、善意だけでなく、無過失も必要であるとの考えが通説でしたが、最高裁判所平成27年6月1日判決は、大要次のとおり判断して、通説と同様に善意無過失が必要であるとの立場を明らかにしました。

【最高裁判所第二小法廷平成27年6月1日判決要旨】
債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対応することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、このことについて譲受人に過失があるときには、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗することができる。

違法残業を理由として東京労働局が行った書類送検

東京労働局が、違法残業を理由とする労働基準法違反容疑で、法人としての株式会社エービーシー・マート並びに労務担当取締役及び店舗責任者2名を、東京地検に書類送検したと報じられています。
労働基準法に罰則が置かれていることはある程度知られていても、同法違反につき労働基準監督官が警察官と同等の権能を有するということはあまり知られていないかもしれませんが、労働基準監督官の是正勧告を軽視していると刑事事件に発展することになることがありえます。

労働基準法第102条
労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法 に規定する司法警察官の職務を行う。

井上達夫「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください」

井上達夫教授が対話形式で、過去の著作のエッセンスを紹介している本です。

副題は「井上達夫の法哲学入門」となっていますが、内容は
いわゆるリベラルの政治的主張に対してかなり挑戦的なものとなっています。

たとえば井上教授は、「等しき事例は等しく扱うべし」という「正義概念」こそが
重要だと指摘したうえで、次の通り主張しています。

①「アジア女性基金」は世界に誇るべきものであり、自分が侵略した他国に対して
謝罪したことのないアメリカの下院が慰安婦問題について日本非難決議をなしたことは
まさに「厚顔無恥」というべきである。

②ドイツが自分たちの戦争責任の追及を日本よりもずっと立派に行ったというのは
「神話」にすぎず、日本が、ドイツにくらべて、戦争責任の追及をしっかりやっていないと
言われるのはおかしい。

③日本国憲法第9条は文理上、絶対平和主義を唱えており、専守防衛の範囲なら
自衛隊と安保は9条に反しないとする旧来の内閣法制局見解は「解釈改憲」に他ならない。
この「解釈改憲」を認めている者には、安倍政権の解釈改憲を批判する資格はない。
憲法9条は削除すべきである。ただし、軍事力を持つのであれば徴兵制を導入して
軍事力行使に歯止めをかける必要がある。

他にもロールズを批判し、マルクス主義の基礎となっている労働価値説を「めちゃくちゃ」と一蹴し、
アメリカのウサマ・ビン・ラディン暗殺に怒るなど、とにかく刺激的な内容になっています。


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