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清水亮「最速の仕事術はプログラマーが知っている」

現代における仕事とは情報処理であり、複雑な情報処理を最速で終わらせる方法を知っているのはプログラマーであると前置きした上で、著者が自らの仕事術を開陳している本です。

この本の中で、著者は、プログラマーは仕事を「完遂する」ことを要求される職業だからビジネスリーダーに向いていると主張しています。
そして、対比のため、弁護士が次のとおりとりあげられています。

「筆者は職業柄様々な弁護士と接するが、弁護士ほど自分で頭を使っているつもりで、その実、ほとんど頭を使っていない職業はちょっとないのではないかと思う。ある裁判で、勝てるか、負けるかは裁判をする前にある程度は見えていることがほとんどなのだ。テレビドラマのように、絶体絶命の状況から弁護士が機転を効かせて逆転するようなことはほとんど起き得ない。」

しかし、そもそも「自分の頭」を使っているつもりでいる弁護士などというものにあまり出会ったことがありません。弁護士を含む専門家とは、先人や仲間が築き上げてきた専門的知識を習得し、操ることができるようになった人間であり、必ずしも「自分の頭」から湧き出てくる知恵を駆使する人間ではありません。それどころか、下手に「自分の頭」を使った意見を述べると、裁判所に「独自の見解」として頭ごなしに否定されてしまうことになりかねません。

ですから、「弁護士は自分の頭を使っているつもりでいる」というのは著者の偏見にすぎないと思います。ただ、そのような偏見が生まれる背景に弁護士は頭を使っている人たちであるという世間的イメージが存在するのだとすれば、それは嬉しいことだと思いました。


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人材の多様性

英米における組織の評価基準にダイバーシティ(多様性)という項目があることがよくあります。多様な人材を活用することにより、組織のパフォーマンスを向上させることができると考えられているからです。

日本でも最近は取締役として女性や外国人を登用することが話題になるようになってきました。しかし、重要ポストに女性が就いている組織はまだまだ多くないように思います。

一方で、イギリスの諜報機関である政府通信本部(Government Communications Headquarters)では、女性どころか、識字障害や発達障害を持つ障がい者を多数雇用しているそうです。そういう人々は通常の人が持っていない能力を持っていることがあるからだそうです。障がい者が多数混じっている組織の管理は楽ではないでしょう。しかし、常に実戦状態にあるとも言える諜報の分野において、組織パフォーマンスの向上を徹底して追求しようとすれば、そういう人材すら活用すべきだということなのでしょう。
ロンドンが発展しているのは、卓越した能力を持つ同性愛者に寛容な都市だからだという話を聞いたこともあります。

日本企業のROEが低すぎることが問題となり、改善策が模索されていますが、人材の多様性という観点も重要なのではないでしょうか。

「ギリシア デフォルト宣言 ユーロ圏の危機と緊縮財政」

ギリシア問題には若干関心があったので、「ギリシアを破綻に追い込んだのは誰か。」という帯の惹句に釣られて、読んでみました。

ヨーロッパの経済危機は、①ドイツの賃金抑制政策と②EU、欧州中央銀行及びIMFが主導するEU加盟国の緊縮財政がもたらしたものだと主張する本でした。

②はスティグリッツ等の一部の経済学者が従前から主張している内容と同じだと思いますが、①はどうでしょう。共通通貨を用いて、一つの経済圏にしてしまえば当然に起きる賃金の平準化にすぎない気がするのですが。。。


「新版注釈民法」刊行終了

民法のリファレンスと言えば「注釈民法」・「新版注釈民法」のシリーズです。
「新版注釈民法(9)物権(4)改訂版」が発売されましたので、買ってきました。

パラパラとページをめくってみると、最後のページに次の「お知らせ」が記載されていました。

                            お知らせ
『新版 注釈民法』の刊行は、諸事情により、本巻(第9巻改訂版)をもって最終とさせていただきます。
簡潔を待望されていた読者の皆様には大変申し訳なく存じますが、ご了承のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
2015(平成27)年9月
株式会社有斐閣

以下の巻は刊行取止めということになってしまったそうです。

第5巻 総則5 138条~174条の2
第11巻 債権2 427条~473条
第12巻 債権3 474条~520条
第19巻 債権10 709条
第20巻 債権11 710条~724条

残念なニュースですね。

高橋淳「進歩性規定法的判断の実務」

特許紛争で最も争われることが多い問題でありながら、
非知財系の法律家にとっては理解が難しい問題が「進歩性」の有無です。
そもそも、通常の特許法の概説書には、「進歩性」に関する詳細な説明は
書かれていないと思います。

本書は実際の裁判例に現れた図版を大量に示しつつ、
明快に「進歩性」の判断の枠組みを示してくれており、
特許法の概説書の巨大な穴を埋めてくれる本なのではないかと思いました。



「なぜ、トヨタは700万円で『ミライ』を売ることができたか?」

革新的技術と喧伝されていたクリーンディーゼルの化けの皮がはがされたと騒ぎになっています。

それとの対比で、何十年も先の未来の技術と思われていた燃料電池車の開発に
トヨタが成功したのはなぜなのかという疑問を抱いていたところ、書店で
この本のタイトルが目に入り、読んでみました。

一言で言うと、スーパーコンピューターが可能にしたナノレベルの
テクノロジーによって大幅なコストダウンが可能になったということのようです。



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大久保宏昭

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