非公開会社、株主総会特別決議がなければ新株発行は無効

平成24年4月24日の最高裁判決です。

旧商法下では、新株発行は、原則として、取締役会決議に基づいて
行うものとされていました。
多額の借財は取締役会の決定事項とされていますが、新株発行は
それに近い扱いを受けていたわけです。
そのため、新株発行は、会社の業務執行に準じるものと考えられ、
有効な取締役会決議がなくとも、対外的に会社を代表する権限のある
取締役が発行した以上、取引の安全の見地から、有効となると
されてきました(最高裁昭和36年3月31日判決)。
そして、取引の安全を重視する必要がないと思われる
小規模閉鎖会社についても、最高裁は、この考えを貫き、
例外とはしませんでした(最高裁平成6年7月14日判決)。

ところが、会社法では、株式譲渡制限会社が新株を発行するには、
株主総会の特別決議が必要とされています。
株式譲渡制限会社においては、既存株主の持分割合が保護されると
いうことです。
そうなると、株式譲渡制限会社の新株発行が、株主総会の
特別決議がないままに行われた場合にまで、取引の安全を
優先させ、これを有効とすることに疑問が生じてきます。
そこで、東京地方裁判所第8部(商事部)の裁判官らによって
構成されていた東京地方裁判所商事研究会は、このような場合には、
新株発行は無効であると解すべきであるとの見解を公にしていました。

さて、今回の最高裁判決は、次のとおり述べて、上記結論を取ることを
明らかにしています。

「非公開会社において、株主総会の特別決議を経ないまま
株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合、
その発行手続には重大な法令違反があり、この瑕疵は上記
株式発行の無効原因になると解するのが相当である。」

なお、無効となるではなく、無効原因となるとしているのは、
新株発行の無効は、「新株発行の無効の訴え」という形成判決に
よらなければ主張できないとされているからです。
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