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コンプリートガチャ騒動

GWで書き込みをお休みしている間に、ソーシャルゲームを
巡って、一騒動あったようです。

もはや日本のビジネス界でゲームと言えば、グリーやDeNAが話題の
中心となっていて、任天堂やソニーは巨額の損失といった面でしか
話題にならなくなっています。

そのグリーやDeNAが提供しているゲームがソーシャルゲームと
言われるものですが、ソーシャルゲームの課金は通常
アイテム課金という仕組みによって行われています。
ゲームをプレイするだけなら無料ですが、ゲーム内で使う
アイテムは有料で販売されており、そのアイテムの売上が
ゲーム会社の売上になるという仕組みです。

ところで、そのアイテム課金の一種として、コンプリートガチャというものが
あるそうです(詳しくは知りませんが)。
カプセルトイ(ガチャ)のようにランダムに販売されているアイテムを
購入し、揃える(コンプリート)ことで希少アイテムを入手できるシステムの
ようです。

そのコンプリートガチャについて、読売新聞が、次の通り報じてから
騒動が始まりました。

「携帯電話で遊べる「グリー」や「モバゲー」などのソーシャルゲームの
高額課金問題をめぐり、消費者庁は、特定のカードをそろえると
希少アイテムが当たる「コンプリート(コンプ)ガチャ」と呼ばれる
商法について景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断、近く見解を公表する。
同庁は業界団体を通じ、ゲーム会社にこの手法を中止するよう要請し、
会社側が応じない場合は、景表法の措置命令を出す方針。」

グリーやDeNAにとって、コンプリートガチャは大きな収益源となっていたようで、
両社の株価がストップ安になる騒ぎになっています。

では、コンプリートガチャのどこが、景品表示法違反となるのでしょうか。
消費者庁の見解について、産経新聞が、次の通り、踏み込んだ報道をしています。

「消費者庁は希少アイテムが景品表示法で制限されている懸賞に当たると判断。
提供する際に複数アイテムの組み合わせを条件としていることについて、
同法が禁じる「カード合わせ」に該当するとしている。」

「カード合わせ」については、「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」
(「懸賞制限告示」)第5項が、次のとおり規制しています。

「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の
特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、
してはならない。」

規制されてしまったので、最近は見かけなくなってしまい、イメージがつかみ
にくくなっていますが、キャラメルなどの箱の中にカードがランダムに入っていて、
何枚かカードを揃えると景品がもらえるという商法が流行ったことがあるそうです。
これ、似たようなことをしたがある人はすぐに分かると思いますが、最初のうちは
どんどん揃っていくのですが、最後の数枚を見つけるのが大変なんです。
しかもそこまで集めたのだから、なかなか諦められない。
そこで、なんとか手に入れようとして、お菓子を買いまくることになります。
当然、業者はそれを狙っているわけです。
ビックリマンチョコのときにも問題になりましたが、カード目当てにお菓子を食べずに
買いまくる子供まで出てきて、規制されるようになりました。

規制の理由は、①子供向けの商品に利用されるものであること、②子供の射幸心を
そそるものであること、③すぐに当る可能性があるように錯覚させる方法であり、
方法自体に欺瞞性があることの3つであると言われています。

ここまで読むとお分かりと思いますが、上記キャラメル商法は、
コンプリートガチャの仕組みと非常に似ています。
コンプリートガチャでアイテムを購入した人は、最後の数個のアイテムを
揃えようとして、結局、大金を使うはめになるわけです。
ですから、この規制をコンプリートガチャに適用しようという発想は分かります。
ただ、若干分からない点もあります。
コンプリートガチャでは、アイテムを購入し、何種類かのアイテムを揃えて
希少アイテムを手に入れようとするわけですが、ここでいうアイテムとは
コンピュータ上のデータでしかないはずです(たぶん)。
たしかに画面上、画像として表示されますので、アイテムが、「文字、絵、符号等を
表示した符票」に当るとは言えると思います。
しかし、希少アイテムは「景品類」に当るのでしょうか。
景表法上の「景品類」は、「不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定
により景品類及び表示を指定する件」により、次のとおり、定義されています。

顧客を誘引するための手段として、方法のいかんを問わず、事業者が自己の供給す
る商品又は役務の取引に附随して相手方に提供する物品、金銭その他の
経済上の利益であつて、次に掲げるものをいう。
①物品及び土地、建物その他の工作物
②金銭、金券、預金証書、当せん金附証票及び公社債、株券、商品券その他の有価証券
③きよう応(映画,演劇,スポーツ、旅行その他の催物等への招待又は優待を含む。)
④便益、労務その他の役務

これに当らないものは、「景品類」には当たらないわけです。
コンプリートガチャが、「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、
異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、
してはならない。」(懸賞制限告示第5項)に違反していると言う以上、
アイテムを揃えるともらえる希少アイテムが、「景品類」に当ると判断していることになると
思いますが、希少アイテムが、①~④のどれかに当るのか、私には良く分かりません。
「物品」?
どうも、しっくりきません。
例えば、意匠法の「物品」は、有体物である動産で、独立性、定型性を有するものと
解されています。
会社法15条の「物品」も無形財産を含まないと解されているようです。
もちろん、意匠法、会社法と景表法は違う法律ですから、景表法上の「物品」については
違った考え方をとることも可能です。
しかし、そうはいっても単なるデータを「物品」に当るというのは、普通に考えると、
少々むずかしいような気がします。
「便益」に当ると考えるのでしょうか?

消費者庁が報道否定などという報道もありますし、このあたりどうなんでしょう?
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