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最近の判例

判例タイムズ1360号に掲載された裁判例について少し書きます。
まずは、最高裁第三小法廷平成23年10月25日判決です。

個品割賦購入あっせんにおいて、購入者と販売業者との間の
売買契約が公序良俗に反し無効であることにより、購入者と
あっせん業者との間の立替払い契約が無効となるか否かが
問題となった事件です。

判決要旨は次のとおりです。

「個品割賦購入あっせんにおいて、購入者と販売業者との間の
売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても、
販売業者とあっせん業者との関係、販売業者の立替払契約締結
手続への関与の内容及び程度、販売業者の公序良俗に反する行為に
ついてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし、販売業者に
よる公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ、
売買契約と一体的に立替払契約についてもその効力を否定することを
信義則上相当そとする特段の事情があるときでない限り、
売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の
立替払契約が無効となる余地はない。」

物品の購入者は、現金で物を買う場合でも、割賦で物を買う場合でも
金利以外には関心がないのが通常だと思います。
ところが、法的に見ると、割賦で物を買う場合には、売買契約とは
別の契約も結ぶことになります。
個品割賦購入あっせんといわれる類型では、信販会社との間で
立替払契約を結ぶことになりますから、現金売買とはまったく
違うことがお分かりいただけると思います。

ところで、本件は、いわゆる恋愛商法にひっかかった事例で、
思わせぶりな女性販売員の誘いに応じて、宝飾品を本来の価格を
大きく上回る価格で買ってしまったということようです。
被害者からすれば、払った金をすべて取り戻したいというのは
当然のことのようにも思えます。
ですが、割賦販売の場合、購入者が割賦金を支払った相手は
販売業者ではなく、信販会社です。
信販会社の立場では、販売方法に問題があったとしても、
それは自分と関係ないことであって、金を返せと言われる理由はない
と言いたいところでしょう。
購入者の請求は認められるべきでしょうか。

原審において名古屋高等裁判所は、売買契約が無効であれば、
立替払契約も目的を失って失効するとして、既払いの
割賦金を返せという購入者の信販会社に対する請求を認めました。
しかし、最高裁は、売買契約と立替払契約は別個の
契約であるから、特別の事情がなければ売買契約が
無効になったからといって、立替払契約が無効になる
わけではないとして、購入者の請求を認めませんでした。
オーソドックスな法的思考からすると、最高裁の考え方を
取らざるを得ないように思います。
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