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二股事件?

東京地裁で、面白い判決が、言い渡されています。
東京地方裁判所平成24年6月1日判決

裁判所の認定した事実によると、事案の概要は、次のとおりです。

X社は、インマルサット衛星通信サービスを提供している会社です。
X社は電気通信設備を保有していないのですが、設備をもっている
Z社と契約を締結することによって、インマルサット衛星通信事業を
営んでいました。

ところで、平成19年6月頃、通信衛星を保有して固定衛星通信事業を
おこなっているY社が、X社に対して、資本提携及び業務提携の
提案をしてきました。
そして、Y社とX社は平成19年10月1日には、出資検討に
関する基本合意書を締結しました。
その基本合意書に基づいて、Y社はX社の調査を行いました。
同調査は、同年12月3日ころに中止されるまで行われたようです。

ところが、平成20年1月15日、Y社は、X社に対し、
資本参加の最終合意書の締結はできない、Y社はZ社と
合弁会社を設立する旨通告したのです。
実は、Y社はX社との交渉と並行して、Z社とも交渉していたのでした。
Y社は、平成19年11月30日にZ社との間で合弁会社設立に
関する基本合意書を締結する方針を固め、同年12月12日には、
経営会議においてその方針を決定していたようです。
上記調査が中止されたことの背景にはこのような事情があったのです。

以上の経緯を見て、どう思いますか?
M&A案件では、こういうことはありがちです。
新しい分野に参入しようとした時に、A社と組むか、B社と組むか
検討し、どちらかを選ぶというのは、わりと良くある話なのです。
買い物で例えると、M&A案件というのは、中古車の購入に似ています。
●●店に行って、車を見せてもらい、傷がないか、走行距離は
どのくらいか調べる。
▲▲店にも行って、違う車を見せてもらう。
そして、比較して、▲▲店から車を買う。何らおかしくないですね。
しかし、一方で、M&Aは人の問題、組織の問題でもあります。
ですから、感情の問題がつきまといます。今回のケースを
男女関係にたとえ、下世話な表現を使えば、「二股」ということに
なるかもしれません。

X社は、次の理由でY社を訴えました。

①Y社は上記調査によって得たX社の営業秘密を自らのために使用した。
②Z社と合弁会社を設立することをすでに決めていたのにY社はX社を騙して、
調査を行い、X社の営業秘密を取得した。
③Y社はX社との間で資本提携契約を締結したのに、その契約を履行していない。
 
信じていたのに、裏切られたという気持ちが伝わってくるような
理由での訴えです。
しかし、裁判所は、あっさりとX社がY社に開示した情報は
営業秘密に当たらない、資本提携契約の成立を認めることは
できないと判断して、請求を棄却しています。

いろいろ考えさせられる事件ですね。
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