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ネズミ講関連の裁判例

ネズミ講というのは、いつかは破綻します。
ネズミ講運営会社が破綻すると、参加した人のほとんどは損をします。
ただ、初期の段階で加入した人たちは違います。
破綻した頃には、すでに出資金を上回る配当金を得ていることが
あるからです。
しかも、ネズミ講の主催者が刑事責任までも問われるのに対して、
加入した人たちが刑事責任を問われることはまずありません。
ですから、悪賢い人たちは、どこかのおっちょこちょいが、ネズミ講を
始めるのを待っていると言われています。
誰かが、ネズミ講を始めたら、すぐにそれに乗っかって、金を儲ける。
そして、責任を問われる段階になったら、すべての責任を主催者に
押し付けて、自分は逃げるわけです。

そんなことは許せないということで、被害者救済のために、
破綻した運営会社の管財人が、そういう儲けた人から
金を取り戻す動きが広がってきています。
東京高裁平成24年5月31日判決は、こういう事件に
かかわる判決です。

原告である破産管財人は、次のとおり主張し、不当利得の
返還を求めました。

①破産会社の事業は、無限連鎖講防止法に違反する。
そして、被告が当該事業に加入した契約は、公序良俗に
反し無効である。
②当該配当金の交付が不法原因給付に当るか否かは
問題となりえるが、破産管財人は破産債権者全体の
利益のために管理処分権を行使する独立の法主体であるから、
民法708条は適用されない。

原判決は、上記①については原告の主張を認めたものの、
上記②については、概ね次のとおり述べて、これを否定し、
原告の請求を棄却したようです。

・原告は、破産会社が破産開始決定時に有していた
被告に対する不当利得返還請求権を破産会社に代わって
行使していると認められる。
・債権者代位権に基づく不当利得返還請求の場合にも、
不法原因給付に基づいて返還請求権が否定されるとするのが
判例である。
・とすれば、破産管財人が総債権者のために債権を行使する
場合であっても、元々不法原因給付に当る場合には、
不当利得返還請求は、民法708条により許されないと解するのが
相当である。

これに対して、上記控訴審判決は次のとおり述べて、原判決を
取り消して、破産管財人の請求を認めました。

「破産会社は自ら上記の公序良俗に違反する事業を企画し、
実行したものであるから、破産会社自身が被控訴人に対し、
給付に係る利益を不当利得として返還請求することは、
不法原因給付として許されない。しかし、破産管財人は、
破産法に基づき、裁判所の監督の下に、総債権者に公平な
満足を得させることを目的として、固有の権限をもって
管財業務を遂行する独立の主体であり、破産管財人による
権利行使は、破産者の権利承継人又は代理人としての
立場で破産者の権利を行使するものではなく、また、
破産者に代位して破産者の権利を行使するものでもないから、
破産管財人による破産者の不当利得返還請求権の行使は、
当該不当利得が不法原因給付であるとする不当利得者の
抗弁によって妨げられるものではないというべきである。
したがって、破産会社の破産管財人である控訴人は、
不当利得者である被控訴人に対し、上記不当利得返還
請求権を行使することができる。」
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