「会社法制の見直しに関する要綱案」

法務省のウェブサイトによると、平成24年8月1日に開催された
法制審議会会社法部会第24回会議において、「会社法制の
見直しに関する要綱案」がとりまとめられました。
なお、社外取締役選任義務付けに関しては、次の内容の
附帯決議がされたそうです。

1 社外取締役に関する規律については、これまでの議論
  及び社外取締役の選任に係る現状等に照らし、
  現時点における対応として、本要綱案に定めるもののほか、
  金融商品取引所の規則において、上場会社は取締役である
  独立役員を一人以上確保するよう努める旨の規律を設ける必要がある。
2 1の規律の円滑かつ迅速な制定のための金融商品取引所での
  手続において、関係各界の真摯な協力がされることを要望する。

平成21年6月17日に企業統治研究会が発表した報告書では、
下記の方針が示されていました。

「本企業統治研究会としては、次のいずれかの対応を選択することを
求めることとすることと結論する。
① 社外取締役を設置し、企業統治体制を整備、実行することについて、開示する
(社外取締役の役割、機能の開示等)。
② ①を選択しない場合、当該企業独自の方法で、企業統治体制を整備、実行する
ことについて、開示する。」

「枠組みを定める手段の選択についても、本企業統治研究会として審議を行ったが、
我が国の上場企業が満たすべき枠組みの内容として、上記のとおり、
一定の範囲で、企業実態に応じた対応が必要との結論に至ったため、
今般は、法改正を行わない対応を採用することとし、金融商品取引所による
対応に委ねることが現実的と本企業統治研究会としては、結論する。」

この時の議論とはかなり違った結論となっています。
経済界の反対も強いようですので、これからまだまだ議論がありそうです。


追記

東京証券取引所の斉藤社長が、以下の談話を発表しており、
上記附帯決議に沿った金融商品取引所規則の改正がなされる
ことになりそうです。

「当取引所は、投資家が安心して投資できる環境を提供するために、
独立した社外取締役がどの上場会社にも必須であることを、
要綱案の審議において一貫して主張してきた。社外取締役を
設置する上場会社は既に過半数を超え、ここ1-2年は特に
急増しつつあるが、今回の要綱案により、その流れはもはや
確実なものになったと思われる。

要綱案には、「金融商品取引所の規則において、上場会社は
取締役である独立役員を一人以上確保するよう努める旨の
規律を設ける必要がある」との附帯決議が付されているが、
当取引所としては、要綱案の確定を待って、速やかに上場規則の
見直しに向けた手続きを進めるとともに、上場会社に対しては、
新たに導入される「監査監督委員会設置会社」への移行の
検討を含め、独立した社外取締役の確保に努めるよう、
この機会にあらためて強く要請することとした。」

会社法による社外取締役選任の義務付けは見送られ、
金融商品取引所規則において努力義務を課すに
とどまることになったわけですが、東京証券取引所としては、
社外取締役の選任が原則となるような実質的市場ルールの形成を
目指しているようですね。
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