ジョセフ・E・スティグリッツ「世界の99%を貧困にする経済」

現代のアメリカ社会が、不平等、不公正な社会になっていることを
徹底的に暴き出した本です。
私にとっては、以下の指摘が印象的でした。

「自由放任市場を信奉するシカゴ学派の経済学者(ミルトン・フリードマンや
ジョージ・スティグラー)は、市場はそもそも競争的であり、一見すると
反競争的な活動が実は効率性を向上させるのだと主張した。法律と経済に
かんするこれらの新説を、アメリカの国民に、とりわけアメリカの裁判官に
吹き込む大規模な“教育”プログラムは、オーリン財団などの右派団体の
資金援助もあって成功を収めた。
しかし、市場は“生まれつき”競争的であるという考え方を裁判所が
受け入れ、異論を唱える者たちにきびしい立証責任を課しはじめたころ、
皮肉にも経済学の領域では、表面上多数の企業が存在するように見える市場で、
しばしば協力が“働かなくなる”原因の解明が進んでいたのだ。たとえば、
経済学の有力な新分野であるゲーム理論は、暗黙の共謀行為が長期間に
わたって継続される仕組みを説明した。また、情報の不完全性と非対称性に
かんする理論は、情報の不完全性が競争性を害する仕組みをあきらかにし、
新たな証拠が新理論の妥当性と重要性を立証した。」

「レントシーキングの目的のひとつは、法律と規制を自分に都合よく
形作ることだ。それには法律家の助けが必要となる。アメリカ政府は
“1パーセントの1パーセントによる1パーセントのための政府”かもしれないが、
“法律家の法律家による法律家のための政府”であることは、もっと確信を込めて
言える。歴代大統領44人のうち、26人は法律家としての経歴を持っており、
現在、国会議員の36%は法曹界の出身者だ。彼らが法律家としての金銭的
利益に執着していないとしても、“認識を操作されている”可能性は否定できない。」
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