一部請求訴訟と消滅時効中断の範囲

債権の一部についてのみ判決を求める旨明示した訴えを提起した場合に
消滅時効中断の範囲はどうなるのかという問題に関して、次の判例が
存在しました。

「債権の一部についてのみ判決を求める旨判示した訴えの
提起があった場合、訴え提起による消滅時効中断の効力は、
その一部の範囲においてのみ生じ、その後、時効完成前、残部につき
請求を拡張すれば、残部についての時効は、拡張の書面を
裁判所に提出したとき中断するものと解すべきである。」(最判昭和34・2・20)

これに対して、一部請求の訴え提起の場合であっても、全額につき
消滅時効の中断の効力が生じると考えるべきとの批判が従来より存在しましたが、
最高裁平成25年6月6日判決は、この問題につき、次のとおり、判断しました。

【裁判要旨】
1 明示的一部請求の訴えの提起は、債権の一部消滅の抗弁に理由があると
判断されたため債権の総額が認定されたとしても、残部について裁判上の
請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。
2 明示的一部請求の訴えの提起は、残部につき権利行使の意思が継続的に
表示されているとはいえない特段の事情のない限り、残部について裁判上の
催告として消滅時効の中断の効力を生ずる。
3 催告から6箇月以内に再び催告をしても、第1の催告から6箇月以内に
民法153条所定の措置を講じなかった以上は、消滅時効が完成し、
この理は、第2の催告が明示的一部請求の訴えの提起による裁判上の
催告であっても異ならない。
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