真の問題点

2月11日付日本経済新聞朝刊のコラム「大機小機」を読んでの感想です。
日本の財政危機を巡って、国債の暴落は近い将来起こるという説と
財政破綻の心配は当面無用だという説があるそうです。
日本の財政危機は杞憂ではないと判断して野田首相は増税が必要と
判断したのであろうし、その判断は理解できると続けられています。

最近、こういう議論が目に付くのですが、真の問題点が国民に
示されていないようにも思います。
日本の個人金融資産は約1400兆円と言われています。
しかし、国債、借入金、政府短期証券、政府保証債務等の残高合計は
すでに約1000兆円あり、さらに急増中です。
名目GDPが急成長して、税収が増えるという見通しもありませんから、
このままでいけば、そう遠くない将来に国債を国内で消化できなくなります。
そうなれば、国債は暴落し、財政が破綻することは必至でしょう。

昨年話題になった本、「国家は破綻する」によれば、国内債務による
公的債務危機の場合には、インフレーションにより債務が帳消しにされる
可能性がかなりあります。
このまま毎年の財政赤字を放置しておけば、財政が破綻するだけでなく、
ハイパー・インフレーションが起きるということになりそうです。

結局、国民は、①大増税、②増税+予算の大部分を占める福祉の大幅カット、
③ハイパー・インフレーションのうちのどれかを選ばざるを得ないのだと思います。
ところが、大増税を主張している政治家はどこにもいません。また、
増税を主張している政治家も福祉のカットは主張していないようです。

不気味なのは、減税すれば景気が良くなって自然に税収が増えると主張する
政治家がいて、3%程度の緩やかなインフレを起こして景気を良くしろと
主張するエコノミストがいることです。
過去20年間名目GDPが増えていないことを考えると、自然に税収が増えるとの
主張が、本気の主張であるとは思えません。
また、マネーサプライを少々増やしてもインフレは起きません。
極端にマネーサプライを増やせば貨幣の信用が低下して、インフレが起きそうですが、
そのインフレは雪崩や地震のようなもので制御不能なものとなることは
容易に想像できます。
3%程度のインフレを人工的に起こせと主張しているエコノミストもどこまで
本気で言っているのか疑わしいということになります。

実は政治家たちは、ハイパー・インフレが起きてもしかたないと考えているか、
むしろハイパー・インフレが起きたほうがいいと考えているのではないでしょうか。
ハイパー・インフレが起きて、政府や企業の債務が消滅すれば日本は再生すると
腹の中では思っているのかもしれません。


国家は破綻する――金融危機の800年
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