価格表示と消費行動

お気づきの方も多いと思いますが、商品の価格表示の方法が変わりました。
従来は、消費税分を含めた総額の価格が表示されていましたが(総額表示)、最近は、消費税分抜きの商品の本体価格のみが表示されていることが(税抜き表示)、しばしば見られるようになりました。

消費税法63条が総額表示を義務付けているところ、消費税率引き上げに伴い、平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じている場合に限り、総額表示しなくてもよいこととされたからです(「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」10条1項)。

この点に関して、本日の日経新聞のコラム(「経済教室」)において、鶴光太郎教授が興味深い研究を紹介しています。税表示の仕方によって、消費行動が変わるというのです。たとえば、スーパーでの実験で一部の商品に通常の税抜価格と併せて税込み価格を付け加えた表示をすると、その商品の売上高が平均8%減少したというのです。税抜き価格を表示する場合に「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じることが義務付けられることになった「立法事実」がこれなのでしょう。
ただ、「定価(本体5800円+税)」、「定価:本体4,700円(税別)」といった表示が、消費行動を適切にするための表示として本当に充分なものなのかどうかについては疑問が残りそうです。

【消費税法】
(価格の表示)
第六十三条  事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。

【消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法】
(総額表示義務に関する消費税法 の特例)
第十条  事業者(消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)第六十三条 に規定する事業者をいう。以下この条において同じ。)は、自己の供給する商品又は役務の価格を表示する場合において、今次の消費税率引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、現に表示する価格が税込価格(消費税を含めた価格をいう。以下この章において同じ。)であると誤認されないための措置を講じているときに限り、同法第六十三条 の規定にかかわらず、税込価格を表示することを要しない。
2  前項の規定により税込価格を表示しない事業者は、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならない。
3  事業者は、自己の供給する商品又は役務の税込価格を表示する場合において、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、税込価格に併せて、消費税を含まない価格又は消費税の額を表示するものとする。
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