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刑事訴訟における控訴審

平成24年2月14日最高裁判所第1小法廷判決が、刑事訴訟における
控訴審のあり方について次のとおり、述べています。

「刑訴法は控訴審の性格を原則として事後審としており、
控訴審は、第1審と同じ立場で事件そのものを審理するのではなく、
当事者の訴訟活動を基礎として形成された第1審判決を対象とし、
これに事後的な審査を加えるべきものである。第1審において、
直接主義・口頭主義の原則が採られ、争点に関する証人を直接
調べ、その際の証言態度等も踏まえて供述の信用性が判断され、
それらを総合して事実認定が行われることが予定されている
ことに鑑みると、控訴審における事実誤認の審査は、第1審判決が
行った証拠の信用性評価や証拠の総合判断が論理則、経験則等に
照らして不合理といえるかという観点から行うべきものであって、
刑訴法382条の事実誤認とは、第1審判決の事実認定が論理則、
経験則等に照らして不合理であることをいうものと解するのが
相当である。したがって、控訴審が第1審判決に事実誤認があるという
ためには、第1審判決の事実認定が論利則、経験則等に照らして
不合理であることを具体的に示すことが必要であるというべきである。
このことは、裁判員制度の導入を契機として、第1審において
直接主義・口頭主義が徹底された状況においては、より強く妥当する。」

この抽象論自体は、従来の考え方から変わっておりません。
ただ、判決から具体的事情を読みとる限り、本件は、従来の刑事訴訟実務であれば
有罪が認められた可能性が極めて高い事案だと思います。
有罪を認めた控訴審判決の方が、従来の実務からすると常識的判断だった
わけです。
そこをあえて、次のように判断したという点に本判決の重みがあると
考えます。

「原判決は、間接事実が被告人の違法薬物の認識を推認するに足りず、
被告人の弁解が排斥できないとして被告人を無罪とした第1審判決について、
論理則、経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは
評価することができない。そうすると、第1審判決に事実誤認があるとした
原判決には刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり、この違法が
判決に影響を及ぼすことは明らかであって、原判決を破棄しなければ
著しく正義に反するものと認められる。」

刑事訴訟においては、第1審の重要性がさらに高まったと言えると思います。
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