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大阪市長vs市労連

毎日新聞が、「大阪市の橋下徹市長が職員労働組合に
今年度末での市庁舎からの事務所退去を求めている問題で、
市労働組合連合会(市労連)は来年度の使用許可を
求めて市を提訴することを決めた。」と報じています。

ところで、市庁舎は、地方自治法上の行政財産であり、原則として
これを貸し付けることはできないとされております。
そこで、従来は、目的外使用の許可(地方自治法第238条の4
第7項)を得て、市労連は市庁舎に事務所を構えていたのだと
思われます。

目的外使用許可に基づく使用には、借地借家法の適用はないと
されていますから(同条第8項)、訴えを起こす場合には、
使用不許可の違法性を主張するほかないでしょう。
行政財産の使用不許可については、最高裁判例(平成18年2月7日
最高裁第三小法廷判決)が存在します。
事案は、教職員によって組織された職員団体が、市立中学校の
学校施設の使用を申し出たところ、市教育委員会が、
右翼団体による妨害活動により、当該中学校及びその周辺の
学校や地域に混乱を招き、児童生徒に教育上悪影響を与え、
学校教育に支障を来すことが予想されるとの理由で不許可処分をした
というものです。
この事案につき、最高裁は、学校施設は地方自治法上の行政財産であると
認定した上で、次のとおり、判示しました。

「学校施設の目的外使用を許可するか否かは、原則として、
管理者の裁量にゆだねられているものと解するのが相当である。
すなわち、学校教育上の支障があれば使用を許可することができない
ことは明らかであるが、そのような支障がないからといって当然に
許可しなくてはならないものではなく、行政財産である学校施設の
目的及び用途と目的外使用の目的、態様等との関係に配慮した
合理的な裁量判断により使用許可をしないこともできるものである。
学校教育上の支障とは、物理的支障に限らず、教育的配慮の
観点から、児童、生徒に対し精神的悪影響を与え、学校の
教育方針にもとることとなる場合も含まれ、現在の具体的な支障
だけでなく、将来における教育上の支障が生ずるおそれが明白に
認められる場合も含まれる。また、管理者の裁量判断は、
許可申請に係る使用の日時、場所、目的及び態様、使用者の範囲、
使用の必要性の程度、許可をするに当たっての支障又は許可をした
場合の弊害若しくは影響の内容及び程度、代替施設の確保の困難性など
許可をしないことによる申請者側の不都合又は影響の内容及び程度等の
諸般の事情を総合考慮してなされるものであり、その裁量権の行使が
逸脱濫用に当たるか否かの司法審査においては、その判断が
裁量権の行使としてされたことを前提とした上で、その判断要素の
選択や判断過程に合理性が欠くところがないかを検討し、その判断が、
重要な事実の基礎を欠くか、又は社会通念に照らし著しく妥当性を
欠くものと認められる場合に限って、裁量権の逸脱又は濫用として
違法となるとすべきものと解するのが相当である。」

毎日新聞の報道によれば、大阪市は「新たな行政事務スペースが必要」
であることを退去通告の理由としているようです。
大阪市長が使用を不許可とする場合の理由も同じ理由となると思われます。
大阪市長が、市庁舎につき「新たな行政事務スペースが必要」であることを
立証することは比較的簡単だと思われます。
新たなプロジェクトに携わるタスクフォースのための会議室が必要だとでも
しておけば足りるでしょう。
上記判例を前提とすると、市労連が、使用不許可につき、裁量権の
逸脱又は濫用を裁判所に認めさせるのはかなり難しそうです。
不許可の真の理由が他にあり、その理由が極めて不当であること、
市労連は当該スペースを継続的に利用してきており、移転することは
市労連の活動の重大な制約となること等を主張すると思われますが、
それだけでは足りないのではないでしょうか。
どういう闘いを展開するつもりなのか、興味がわきます。


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