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金子宏/中里実/J.マーク・ラムザイヤー編「租税法と市場」

租税法の論文集です。
中里教授とラムザイヤー教授の還暦記念出版として企画された論文集とのことで、中里教授の研究を発展させた論文が多く収録されています。
中でも、神山弘行「「金融革命の進行」を振り返って:Fiction, Friction & Taxation」は、興味深い論文です。

以下、一部を引用します。

「経済活動に着目をして課税をする所得課税・法人課税・消費課税は、(租税法律主義のもと)一定の法的フィクションを構築して、課税対象の切り分けを行っていると理解できる。例えば、所得課税における課税期間という「時間枠組み(time frame)」は、一定の価値判断を含んだ法的フィクションといえよう。」

「現在の所得税法は、課税の時間枠組みとして暦年を採用し、課税期間の帰属(年度帰属)の基準として「実現主義」を採用している。実現主義課税を採用する所得課税は、「いつ課税をするか」の判断基準として、伝統的にfixed returnとcontingent returnの区別に依拠してきた。」

「Warren教授は、ファイナンス理論・技術によりポジションの複製が可能であることから、租税法におけるfixed returnをもたらす資産とcontingent returnをもたらす資産の区別が強固ではない旨を指摘している。」

「ファイナンス理論の観点から眺めると、租税法におけるfixed returnとcontingent returnの区別というフィクションは容易に飛び越えることが可能なのである。」

「租税法における具体的な対応策として、Warren (2004)の区別によると、次の4種類のアプローチが可能であると考えられる。それは、①取引分析 (transactional analysis)、②時価主義課税 (mark-to-market taxation)の導入、③定式課税 (formulaic taxation)の導入、④否認既定の導入である。」

著者の論はさらに続きますが、これだけでも、ファイナンス技術を用いた租税回避の問題を俯瞰する視点を与えられた気分がします。

租税法と市場租税法と市場
(2014/08/01)
金子 宏、中里 実 他

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