クラウドコンピューティング

本日の日経新聞朝刊にクラウドコンピューティングに関する
記事が掲載されていました。
文化庁が、クラウドコンピューティングにつき、著作権法改正は
必要ないとする報告書をまとめたと記事は伝えています。
その記事の最後を引用します。

「報告書はクラウド型サービスが始まったことで、新たな著作権法上の
問題が発生していることはないとの見解も示している。
政府として、クラウド型サービスについては当事者間の契約で
解決すべきだとの方向性を示した格好だ。」

私には、この文章の前半と後半のつながりが、良く分かりませんでした。
新たな著作権法上の問題が発生していなくとも、クラウドコンピューティングの
発展のために法を整備するということは十分ありえると思うからです。
そこで、報告書の原文と思われるものにあたってみました。
報告書は、「まとめ」において、次のように述べています。

「「クラウドサービス」と著作権法との関係については、大きく
①著作物の利用行為主体との関係、②「私的使用」(30条1項)との関係、
③著作権法上の「公衆」概念との関係を中心に検討したところであるが、
いずれの課題も従来から指摘されている課題であり、
「クラウドサービス」がこうした課題をより顕在化させるという側面があるとしても、
「クラウドサービス」固有の課題というものではないことが確認された。
このため、「クラウドサービス」の進展を理由に、直ちに「クラウドサービス」
固有の問題として著作権法の改正が必要であるとは認められないものと考える。
もっとも、「クラウドサービス」の進展に伴って、著作物の利用が
さらに多様化していくことが想定され、また、「クラウドサービス」が
より広範に利用されることが想定される中、従来から指摘されている
課題であったとしても、その影響や規模が拡大することも考えられるため、
それらの課題について検討を進めることは必要であり、
現に文化審議会著作権分科会法制問題小委員会において、
30条を中心に課題の整理が行われているところである。
また、「クラウドサービス」に係る課題は、著作権法との関係以外にも
多岐にわたっており、我が国において「クラウドサービス」が発展する上においては、
こうした課題についても真摯に向き合って検討することが求められよう。」

また、「まとめ」の直前を読むと、関係者ヒアリングにおいて、次のような意見が
あったとしています。

「「クラウドサービス」に関連して著作権法の改正を行う必要性は特段認められず、
クラウド事業者と権利者との契約で対応すべき問題であり、
また、契約が締結できないからといって、そのことを理由に法改正を
行うべきではないとの意見があった。
さらに、この点に関連して、全ての行為について、違法な行為とそうでない行為を
法律で明確にすることはそもそも困難であるとの意見もあった。」

当該意見は、報告書の立場とは違うということでしょう。

以上、報告書を確認しましたが、素直に報告書を読むと、
「政府として、クラウド型サービスについては当事者間の契約で
解決すべきだとの方向性を示した」とまでは読めないように思います。
口頭でそういう趣旨の説明があったのでしょうか?
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

フリーエリア
プロフィール

大久保宏昭

Author:大久保宏昭
本ブログをご覧いただき、ありがとうございました。

リンク
カウンター
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR