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AIJの問題を、とりとめもなく、ぼんやりと考える

AIJ投資顧問株式会社(「AIJ」)が顧客から受託していた
資金の大半が、消失していたそうで、騒ぎになっています。
報道によれば、同社は運用成績を偽って勧誘を行っていたようです。
金融庁は、同社の登録を取り消すことを検討しているとのことで、
AIJは廃業に追い込まれる可能性が高いと見られています。
それだけではありません。
真相はいまだ明らかではありませんので、確実なことは言えませんが、
具体的な事情次第では、AIJは会社として、顧客に対し、
損害賠償責任を負う可能性がありますし、同社の取締役らも、
刑事上の責任及び民事上の責任を問われる可能性があります。

ただ、顧客からしてみれば、一番の関心事は、投資した資金を
回収することができるか否かでしょう。
その見込みは極めて乏しいと言わざるを得ません。
AIJ及びその取締役らが損害賠償責任を負ったとしても、
同社らに資産がなければ、結局、回収はできないからです。
空のサイフを逆さに振っても、お金は出てこないという道理です。

では、顧客はどうしたら良いのでしょうか。
今朝の日本経済新聞の記事に次のような記載がありました。

「千葉県管工事業厚生年金基金の今井昭常務理事は「金融当局の
監視の甘さが、こういう結果を招いた」と憤った。」

なるほど、国の責任を問うというのは、一つの方法です。
投資はあくまでも自己責任であるという考え方もありえますが、
個々の投資家の能力には限界があるのも事実です。
AIJの事業報告書を見ると、顧客のほとんどは年金です。
年金運用者に対して、投資運用を委託する際には、その運用の
詳細を自らの手で調査しろというのは、事実上不可能を要求することに
なりかねません。
そこで、監督官庁の監督責任を問うという発想が出てきます。
この点、投資運用業者は登録業者にすぎませんので、監督官庁の監督責任を問うことは
一般的には難しいといえます。
しかし、監督官庁には検査権限が与えられています。
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版の報道によれば、格付投資情報センターが
2009年に発行したニュースレターの中で、AIJについて
日本のマドフ事件になりかねないと警告していたそうです。
だとすれば、監督官庁が与えられた検査権限を適正に行使していなかったとして、
国に対して損害賠償を求める訴えを提起することは十分にありえそうです。
もちろん、裁判所が認めてくれるかどうかはわかりませんが、主張としては
一応の合理性があると思います。
その場合、薬害訴訟判決やじん肺訴訟判決を参照しつつ、訴状を作成することに
なるでしょう。
訴訟を業務の柱の一つとしている弁護士としては、訴状を書いてみたい気もします。
面白そうですので。

ただ、その一方で、こうも思います。
仮に国の責任が認められた場合、結局、税金で損失が補填されることになります。
広い意味では投資の失敗にすぎないとも言える事件に税金が投入されるのが
良いことと言い切る自信はありません。
また、国の責任が認められた場合、投資運用業に対する規制が強まることが予想されます。
すでに、民主党が「年金の運用管理に関するワーキングチーム」を
立ち上げ、投資顧問会社の監督強化などの提言をまとめる予定であると報道されています。
投資運用業に対する規制の強化は、結局、運用コストの上昇につながります。
また、投資家は規制を嫌いますので、投資運用業の規制強化は、投資資金の
海外逃避を促すことになりかねません。
日本経済に対するインパクトを考えると、あまりいいアイデアであるとは思えないということです。

悩ましいですね。

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