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エルピーダメモリのなぜ?

平成24年2月27日、日本DRAMメーカーの最後の砦と
言われたエルピーダメモリ株式会社が会社更生手続開始の
申立てを行いました。
NHKスペシャル「電子立国 日本の自叙伝」の
初回放送日は1991年1月27日ですから、日本が
勝利の凱歌をあげてからおよそ21年ののち、
この落城の日を迎えたわけです。

会社更生手続き開始の申立てを行ったということは、
同社の経営陣は、次のいずれかの事実があると判断した
ことになります(会社更生法17条1項)。
①破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがある場合
②弁済期にある債務を弁済することとすれば、その事業の継続に
著しい支障をきたすおそれがある場合

「会社更生手続開始の申立てに関するお知らせ」をみてみましょう。
「当社がこのまま自力で事業継続した場合、その資金繰りが
早晩破綻することは必至な状況となりました。また、仮に現状を
放置して資金繰りの破綻が現実化した場合、当社の企業価値は
著しく毀損し、スポンサーによる資金提供等の途も事実上絶たれ、
債権者の皆様を始めとする関係各位に対してより多大なご迷惑を
お掛けすることが想定されました。そのため当社は、やむを得ず、
会社更生法の手続に従って抜本的な財務及び事業の再構築を
行うことによって会社再建を目指すこととし、本日申立てを
行うに至りました。」とあります。

ところが、株価の推移をみると、過去半年は比較的安定していて、
前日終値も332円でした。マーケットは現時点での倒産を
予測していなかったように見えます。

では、予兆はなかったのでしょうか。
EDINETで平成24年2月14日に提出された第3四半期報告書を
みてみましょう。
同報告書から以下の事実を読み取ることができます。

純資産額2828億円
平成22年12月31日付の現金及び現金同等物残高
1647億円
平成23年12月31日付けの現金及び現金同等物残高
974億円

純資産はまだ相当程度あるものの、キャッシュが急減していたことが
見て取れます。
さらに、同報告書の「継続企業の前提に関する事項」には、次のとおり
記載されています。

「当社は、平成21年6月30日に経済産業省の認定を受けた産業活力の
再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく事業再構築計画
(以下、本計画)に沿って事業活動を遂行しており、本計画の実施期間は
平成24年3月31日に終了することが予定されています。
本計画の終了に伴い、㈱日本政策投資銀行に対して発行した
優先株式に対する金銭を対価とする取得請求権は、平成24年4月2日以降、
同行による行使が可能になります。また、本計画に基づく
主要取引銀行を中心とする金融機関からの借入も平成24年4月2日付で
その返済期限が到来します。上記の他、今後1年間に有利子負債の
返済も予定されており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる
ような状況が存在しております。
当該状況を解消すべく、当社は、取引先からの出資、顧客からの
出資あるいは前受金の受け入れ等種々の効果的かつ実行可能な施策について、
一部を実行あるいは関係者からの合意を得ることで財務体質の改善に
努めております。また、当社は、経済産業省、㈱日本政策投資銀行及び
主要取引銀行等の関係者と今後の対応策について詳細を
協議しているところですが、現時点では最終的な合意には至っておらず、
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。」

日本経済新聞は次のとおり報道しています。
「経済産業省や政投銀、主取引銀行は、3月末に期限の切れる産活法の
適用延長や融資の継続を認める前提として、抜本的な経営再建策の
提出をエルピーダに求めていた。一部の金融機関は提携の実現性を
含め再建への道筋が明確でないとして、支援継続に難色を示したようだ。」
つまり、第3四半期において開示された事実が原因でエルピーダは
倒産したわけです。
予兆はあったことになります。

では、なぜ、マーケットは上記開示に反応しなかったのでしょうか。
そのリスクは織り込み済みということも当然あったでしょう。
ですが、300円台を維持していたということは、やはり、
マーケットは経産省及び銀行が救済的融資を継続すると
読んでいたのだと思います。
ところが、経産省及び銀行は支援を打ち切りました。
マーケットの読みと経産省及び銀行の実際の判断は何故食い違ったか。
それがエルピーダ倒産における謎だと思われます。


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