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東証の上場廃止基準の運用って、どうなの?

これも今朝の日本経済新聞からです。
「法務インサイド」というコラムで三宅伸吾氏がオリンパス
上場維持に関する話題を取り上げています。

三宅氏によれば、東証の上場廃止基準の規定は変わっていないが、
実質基準が変わったと多くの専門家が見ているそうです。
上場廃止を判断する際のポイントが、過去の不正実態よりも
「今後、上場会社としてふさわしい企業に再生できるかどうか」に
移っているというのです。

ここで、有価証券報告書の虚偽記載に関する東証の上場廃止基準を
確認してみましょう。
有価証券上場規程601条1項11号aは、
「上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載を行い、かつ、
その影響が重大であると当取引所が認める場合」に
上場を廃止するとしています。
この文言は、有価証券報告書の重要な事項につき
虚偽の記載のあるものを提出した者を罰するとの
金融商品取引法の規定と似ています。

ところで、東京地検がオリンパスを金融商品取引法違反の罪で
起訴する方針を固めたとの報道を信じれば、
東京地検は、オリンパスが、有価証券報告書の重要な事項につき
虚偽の記載をなしたと見ているということになります。
それに対して、オリンパスの上場は維持されましたから、
東京証券取引所は、オリンパスが有価証券報告書に
虚偽記載を行っていないか、又は、虚偽記載を行っていたとしても、
その影響は重大でないと認めたということになります。
前者ということはないでしょうから、後者ということなのでしょう。
しかし、通常は、「重要な事項」につき虚偽があれば、
その影響は重大ということになりそうです。
ですから、東京地検の判断を信じれば、東京証券取引所の判断には
疑問の余地があるということになっておかしくありません。

しかし、この解釈の違いは、上場廃止基準が法令ではなく
自主基準であり、過去の行為を罰するために設けられたものでない
ことから来ていると思います。
上場廃止基準は、東京証券取引所が、投資家のために投資対象となるべき
会社を選別し、上場株式の品質管理をなすために、自主的に制定したものです。
自主基準ですから、そもそもかなりの程度柔軟な解釈の余地があります。
また、投資家のための品質管理が目的ですから、上場会社として
再生できる確実な見通しがあれば、「その影響が重大である」とは
認めずに上場を維持させることが許されそうです。
私もオリンパスの上場維持という東証の判断は
正しいものであったと考えます。

ただ、その一方で上記記事には気になることも書かれていました。
上場廃止に反対する個人株主と外国の機関投資家がいて、
そのために東証が上場廃止に慎重になったというのです。
しかし、株主が上場廃止に反対するのは当然です。
その時点における具体的株主の利益だけを考えていたら、
上場廃止は常にできないことになってしまいます。
しかし、何があっても上場廃止はできないということになれば、
市場の信頼の確保はできず、投資家全体の利益も損なわれます。
ときには泣いて馬謖を斬ることがなければなりません。

また、今回の判断に不透明さがつきまとっていることも
気になります。
上記記事によると、上場廃止の可能性が浮上した際、
金融分野で影響力を持つある民主党議員が、東京証券取引所や
金融庁・証券等監視委員会の幹部に連絡を取ったそうです。
また、斎藤惇東証社長がオリンパスに対して第三者委員会の
設置を求めたともあります。このことは、第三者委員会を
設置して適正な処分をすれば上場維持がありえることを
示唆したとも受け取れます。

堀江氏は、今回の上場維持の判断ついて、ライブドアの場合と
比べて不公平であると批判しています。
堀江氏でなくとも、インサイダーに対しては甘く、
アウトサイダーに対しては厳しいとの批判がありえそうです。

外国人投資家が、日本の上場株式の4分の1を保有する一方で、
国内の個人投資家が株式に投資しない状況が続いています。
外国人投資家を逃がさず、個人投資家を呼び込むためにも
上場廃止基準の運用は透明であるべきでしょう。

上場廃止基準の今後の運用を見守りたいと思います。
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