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イーライ・パリサー「閉じこもるインターネット」

長風呂につかりながら、買ってきたばかりの本書を読みました。
この本が伝える重要なメッセージは、「はじめに」の中に
端的に示されています。
その一部を引用します。

「新しいインターネットの中核をなすコードはとてもシンプルだ。
フィルターをインターネットにしかけ、あなたが好んでいる
らしいもの―あなたが実際にしたことやあなたのような人が
好きなこと―を観察し、それをもとに推測する。これがいわゆる
予測エンジンで、あなたが、どういう人でなにをしようとしているのか、
また、次になにを望んでいるのかを常に観測し、推測のまちがいを
修正して精度を高めてゆく。このようなエンジンに囲まれると、
我々はひとりずつ、自分だけの情報宇宙に包まれることになる。
私はこれをフィルターバブルと呼ぶ」

「パーソナライゼーションを突きつめると、あらゆる面で個人に
合わせてカスタマイズした世界が生まれると言われる。
自分が好む人々、物、アイデアだけに囲まれた世界だ。」

「フィルターバブル内では、新たな洞察や学びに遭遇する
チャンスが少ない。」

「フィルターバブルの中にはいるというのは、自分が目にする
選択肢をその会社に選ばせることを意味する。」

「他人の視点から物事を見られなければ民主主義は成立しない
というのに、我々はバブルに囲まれ、自分の周囲しか見えなく
なりつつある。事実が共有されなければ民主主義は成立しない
というのに、異なる平行世界が一人ひとりに提示されるように
なりつつある。」

本書を読んでいる途中で私の頭に浮かんだ光景は、
SF小説「百億の昼千億の夜」の中に登場するZEN―ZENシティです。
ZEN-ZENシティでは、市民の精神は1枚のカードの中に
情報化され、市民はコントロールされた「幸せな夢」を見続けています。
そして、市民の肉体は、コンパートメントというカプセルの中に
収められて、保管されているのです。
この小説は、45年ほど前に書かれたものですが、上記の
未来像と似ていませんか?

ともあれ、本書「閉じこもるインターネット」は読む価値のある本だと
思います。時間がない人は、「はじめに」だけでも、読んでみてはいかがでしょうか。


閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
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