新訳 ケインズ「雇用、利子、お金の一般理論」

山形浩生氏がやってくれました。
あの"The General Theory of Employment, Interest and Money"の新訳です。
あっ、「新約」じゃないですからね。
新約聖書の「新約」っていうのは、「新しい約束」って意味ですから。
新訳、つまり「新しい翻訳」です。
それと、タイトルも間違ってませんからね。
今までは、「雇用・利子および貨幣の一般理論」と呼ばれていた本ですが、
山形訳では、「雇用、利子、お金の一般理論」です。
タイトルの変更がすべてを表している本です。

この本、経済学の分野では「国富論」、「資本論」と並ぶ超有名な本です。
ただ、有名という点だけでなく、例の点でも並んでいます。
例のって、ほら、誰でも名前は知ってるけど、最後まで読んだことがある人は、
ほとんどいないって点ですよ。

一時期は死んだとまで言われたケインズ理論ですが、リーマン・ショック以降、
急に見直され、ケインズ関連の本が多数出版されています。
しかし、ケインズ自身の著作であるこの「一般理論」を読み通したことが
ある人は、あまりいないと思います。
私自身、何回か読もうと思いつつも、読んでいませんでした。
その原因は、いままで出版されてきた翻訳書の読みにくさにあります。
書店で、パッと本を開いて、読もうとしてみたことは何度かあるのですが、
何が書いてあるのか、すぐには文意が掴めない文章で書かれているのです。
日本語の解読から始めないと、何が書いてあるのか分からない本なんて、
読めません。

しかし、「山形浩生」という訳者の名前を見たとたん、今度は読める本に
なっているのではないかと直感しました。
山形浩生氏の翻訳で、読みにくかったものは、いままで1冊もありませんでしたから。
数ページ、ぱらぱらっと読んでみた後、すぐ購入し、さっきまで読んでいました。
私のように本をいい加減、かつ、大量に読む習癖のある人間にとっては、
読みやすさは、内容と同じくらい価値があります。
いや、読みにくければ読まないわけですから、もしかすると内容以上に価値が
あるかもしれません。
この本は、読みやすさという点で非常に価値がある本だと思います。
しかも、例のヒックス論文とクルーグマンの解説文まで収録されています。
ケインズの「一般理論」に興味があるが、いままで読んだことはなかったという人
すべてに一読をお勧めしたい本です。


雇用、利子、お金の一般理論 (講談社学術文庫)
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