スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スーパーマリオ高齢労働者の首を刎ねる?イタリア労働法改正

IMFの監視下に置かれたイタリアの話題です。
経済学者マリオ・モンティ氏が昨年選挙によらずしてイタリアの首相になったと
思ったら、さっそく増税、予算削減に乗り出して話題になっていました。
今度は、世論の反対を押し切って、イタリアの労働法を改正しようとして、
一騒動になっています。

イタリアの労働法は、正当な理由なき解雇を禁止しており、正当な理由のない
解雇があった場合には、事業所の規模に応じて次のように扱うと定めているようです。
(ネットで拾ってきた情報なので正確かどうかは不明ですが)

15人以上の従業員が存在する事業所:
職場復帰+5カ月の給与相当以上の賠償金の支払
または
従業員が職場復帰を望まない場合には、15カ月の給与相当分以上の賠償金の支払

15人未満の従業員が存在する事業所:
2.5~6ヶ月の給与相当の賠償金の支払

それに対して改正案は、職場復帰の義務をなくし、15~27カ月の給与相当の
補償金を支払えば良いこととするという内容になっているようです。

実質、上記補償金さえ支払えば、労働者を理由なく解雇できるようになるということで、
改正案が法律として成立し、施行されると、高給高齢の労働者は解雇され、代わりに若者が
雇われることになるだろうと予想されています。
イタリアの若年者の失業率は30%ということですから、解雇しても代わりは
いくらでもいるというところでしょうか。

ところで、労働者を保護すればするほど失業率が上がることは統計上明らかであると
言われることが多いのですが、逆に労働者保護の水準を下げた場合にどの程度
失業率が下がるのか、国民全体の利益になるのかと言えば、やってみなければ
分からないというのが本当のところだと思います。
規制を緩和しさえすれば、資源配分、所得分配が望ましい方向に行くというほど、
制度と経済の関係は、単純ではないからです。

このようにIMF管理下で経済学者が経済理論優先で労働市場の規制を
緩和させようとしているわけですが、その結果が全体として良いものになるかどうかは
分かりません。
しかし、そうではあっても、今後の日本の労働法改正の動向には影響しそうです。

日本の現行法は、次のように定めています。

「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、
いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、
解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」(民法627条1項)
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、
その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法16条)

期間の定めのない雇用について、いつでも解雇できるとしつつ、
解雇権濫用に当たる場合には、解雇は無効となるとしているわけです。
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない
場合には、解雇権を濫用したことになりますので、解雇について、
実質的には正当な理由の存在を要求しているとも言われています。

また、解雇権濫用に当たるケースでも、和解によって紛争を解決できる場合には、
和解金の支払いと引き換えに一定時点において退職したことにすることが
可能ではあります。
しかし、法令上は、解雇は無効とされていますから、判決や審判に至って
しまった場合には、従業員たる地位の存在が確認されることになります。
賠償金の支払と引き換えに解雇を有効とする制度は用意されていません。
制度としては、イタリアの現行法に近い制度となっているわけです。

そこで、従来より、解雇権濫用に当たる場合にも、解雇を無効とするのではなく、
賠償金の支払を義務付けるに止めるよう法律を改正すべきだという意見がありました。
要するに今回のイタリアの改正案と同様の改正を求める声があったのです。

イタリアの今後がどうなるのかはわかりませんが、失業率の低下、
経済成長等が見られた場合、日本においても同様の改正を求める声が
高まることは必至であると思われます。
でも、どうなるんですかね、イタリア。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

フリーエリア
プロフィール

大久保宏昭

Author:大久保宏昭
本ブログをご覧いただき、ありがとうございました。

リンク
カウンター
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。