「資本論」を少し読んでみました

中山元氏訳の「資本論」を読んでみました。
といっても、現時点では、「資本論」第1巻の半分までしか出版されていませんので、
冒頭のみということになります。

ところで、フランスの哲学者ルイ・アルセチュールは、「資本論」の読み方として、
第1篇を読み飛ばして、第2篇から読み始めることを提案しているそうです。
第1篇は難解だからというのです。
しかし、第1篇は、「資本論」の土台が述べられた箇所です。
重要ではないというわけではありません。
その中の一文を引用します。

「商品の使用価値または財が価値をもつのは、そこに抽象的な人間労働が
[物的なものとして]対象化され、物質化されているからである。この価値の
大きさはどのようにして測定されるのだろうか。そこに含まれる[価値を形成する
実体]の大きさ、すなわち労働の量によってである。この労働の量そのものは、
労働が持続した時間の長さで決定され、この労働の時間の長さを測定する
尺度は、1時間、1日のように、特定の時間の長さである。」

このいわゆる労働価値説を土台として、マルクスは議論を積み重ねていきます。
ところが吉原直毅教授は、「マルクス派搾取理論再検証-70年代転化論争の帰結-」において、
労働価値は市場の均衡価格決定の説明要因たり得ない事が数理マルクス経済学によって
判明していると主張しています。
アルセチュールとは違う意味で、第1篇の価値が揺らいでいるということなるでしょう。
さらには「資本論」自体も?

ともあれ、「資本論」の影響力が弱くなった今だからこそ、気楽に「資本論」を読んでみるというのも
なかなか楽しいものです。
続刊が出たら、そちらも読んでみたいと思います。


資本論 第1巻 Ⅰ (日経BPクラシックス)

資本論 第1巻 Ⅱ (日経BPクラシックス) (NIKKEI BP CLASSICS)
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