縮む経済と生活保護

日本の経済ですが、1995年から2010年までの平均をとると
約0.8%成長してきたとされています。
リーマン・ショックのような大きな景気後退もありつつ、平均を取れば
着実に経済成長してきたとされているわけです。
でも、その成長をみなさんは、実感されていますか?
実感されていない方の方が、多いと思います。

なぜでしょうか?
4月8日の日経新聞3面のコラム「けいざい解読」の一部を引用します。

「日本綜合研究所の山田久調査部長が経済協力開発機構
(OECD)のデータで分析したところ、日本の名目賃金は
1995~10年に11%減っていた。」

なんと、賃金は減っていたのです。
賃金が11%も減っていたら、経済は成長しそうにないですよね?
不思議だと思いませんか?
こんな不思議なことが起きるのは、実は、経済成長率を計算するときには
インフレ調整をした後の数字である実質GDPを用いていたからなんです。
では、1995年~2010年の間、インフレ調整をする前の名目GDPは
どのように変化してきたのでしょうか。

1995年  501兆円
1996年  511兆円
1997年  523兆円
1998年  512兆円
1999年  504兆円
2000年  509兆円
2001年  505兆円
2002年  499兆円
2003年  498兆円
2004年  503兆円
2005年  503兆円
2006年  506兆円
2007年  512兆円
2008年  501兆円
2009年  471兆円
2010年  481兆円
 (以上、1兆円未満切捨て)

名目GDPは1997年をピークに、減っています。
みなさんが目にする現実の数値は、名目の数値ですから、
経済の成長を実感できないのは、当然だったのです。

ところで、自民党が、生活保護の削減を次期衆院選の
マニフェストとして掲げるそうです。
先日、生活保護の老齢加算が廃止されたことに関する最高裁判決
(平成24年4月2日最高裁判所生活保護変更決定取消請求事件判決)が
言い渡されましたが、自民党の上記政策が実現することになれば、
また憲法25条違反だとして、訴えが起こされることになるでしょう。
生活保護に関して、具体化された制度を後退させることは原則として
許されないとする「制度後退禁止原則」を唱える憲法学者すらいますから、
かなり激しい反対論が主張されることになると思います。

しかし、経済が縮小する中、生活保護の受給者は209万人を超え、
生活保護予算は3.4兆円を記録しており、財政が破綻しかかっています。
また、一説によると、ワーキングプアの生活水準が生活保護の水準を下回り、
働き損になる状況すら生じているそうです。
単純に生活保護費を減額すれば良いという話ではないと思いますが、
このような状況を考えると、何らかの見直しは避けられそうにないと思います。


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